「プラダを着た悪魔」 | ニコニコノコノコ

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「プラダを着た悪魔」遅ればせながら見ました。

期待通りのファッショナブルで楽しい映画でした。


ちょっと懐かしい気分にもなり、出版社に勤めて

ファッション関係の本を作っていた頃の自分を思い出したりしました。


私とファッション?かなーり結びつかないゾ?と、

首をかしげる人もいるかもしれませんが、

服じゃなくて、本を作る仕事だったので、

さほど華やではありませんでしたヨ。ご納得?(笑)


パリコレやミラノコレクションには、編集のボスが出かけて行き、

私は日本にいて、現地から速攻フェデックスで送られてくる

山のような写真を受け取り、速攻でトリミングして、速攻で入稿して、

ボスが現地で書いた原稿を、ファックスで受け取り、速攻で翻訳して、

速攻で本をカタチにする、という仕事をしていました。

ボスが帰国する頃には本が出来ている。そんな仕事。


あれは、世界最速の仕事だったと自負できます。

もちろん、私以外のスタッフのスゴイ働き方があってこそですが。

…戦場だったな…まだDTPじゃなかったし(遠い目)。


ライバルはイタリアの出版社でした。

どっちが早く本を仕上げるか、という勝負。

コレクションは次のトレンドがわかる貴重な情報源なので、

世界中の人が早く見たいものなのです。早いほうが売れる。


映画のキャラクターとはだいぶ違いますが、

ボスはやっぱり悪魔みたいなところがありましたね。

黒い服ばっかり着ていたので黒い悪魔でした(笑)。


ある日、ボスが「写真はどこ?」と詰め寄ってきました。

「お渡ししたはずですが」と答えると

「いや、受け取ってないわ、あなたが持っているはずよ、探しなさい!」

と言う。

しばし、「渡した」「いや受け取っていない」とやりとりをして、

仕方がないので、私はボスの机周りを探しに。

…あるじゃん、机の下に。


「ここにあるのは、何でしょう?」と、ボスに教えると、

「あったわ!やだ~!もう!もうもう~!」と、

興奮して私の頭を何度もベチベチと手のひらで叩くボス。


なんでワタシが叩かれにゃ、あかんのだ…?

という疑問を持っても仕方がないのです。

ボスはそういう人物だったのです(苦笑)。エライ人なんです。

あとで周りの人たちが「大変だね」と慰めてくれました。

面白かったな、あの仕事。


映画の中で、エミリーがパリコレについて行くのを楽しみにしていたけれど、

その会社でも、女性社員がボスにくっついてコレクションを回れるのを

楽しみにしていたし、誇らしげにしていました。

この映画を見てから、あの「一緒に行ける」というのが、

いかに彼女達にとって大事な事だったか、いまさらわかった気がします。


そして、ボスをはじめ、編集の女性たちから、

私は相当ダサいと思われていたんだな、ということも、

いまさらながら映画を見てわかりました(笑)。


ある日、一緒に仕事をしていたベルサーチを着た女性に

あなたって、…アメリカン・カジュアルなのね」と言われました。

私の無秩序なファッションセンスを、「アメリカン・カジュアル」という

ひとつのカテゴリーに無理にでもはめ込んで、少しでも理解しようと

してくれたんだと思います(苦笑)。さげずみか、優しさか…(涙)。


あぁ、でもその会社にいた時に10kgダイエットしたのだった。

そんな私でも、もうちょっと頑張ってお洒落しようと思った時期でした。

環境が人を変えるのよね。

ま、今はもとに戻っちゃったけどね(笑)。本質は変わらんね。


「プラダを着た悪魔」を見て、ちょっとだけお洒落心が刺激されたかも。

もうちょっとお洒落に気を使おう!と、一瞬ポジティブになりました。

一瞬。…本質は変わらん。ハハハ…。