京都で一番成長出来るインターンシップ -116ページ目

火天の城

織田信長が建てた安土城。
日本で初めての本格的な天守をもつ城郭です。


その安土城築城を請け負った織田家棟梁岡部又右衛門の
親子を描いたのが「火天の城」(文藝春秋)。
山本兼一の文章は読みやすく、かつ精巧で
日本建築の様式美をまるで見てきたかのように
見事に描き出していきます。

「魂はディテールに宿る」、そんな言葉がピッタリです。


当時戦場での普請を担う大工たちの役割は非常に
大きく勝敗にまで影響を及ぼすほどだったのですが、
この物語では他にも様々な、これぞプロ!と
思えるような人物が登場します。


瓦を焼く職人、
石を切り出し組み上げる石工、
森で木を切り出す杣(そま)・・。

棟梁はのべ数万人の彼らをまとめあげ
城を建てます。


『大工は木を組み、棟梁は人を組む。』


この言葉が印象的です。


信長から次々と飛び出すアイデアをいかに形にするのか。
これまでに誰も成したことがないからこそ自分がやってみたい。
人に苦労し、人に助けられ、人を信じ、人に裏切られ、
人を組んでいく岡部の姿。
読み終えたときの感覚は、まるで「プロジェクトX」を
見終えたときのようでした。

一流のエンターテインメントだと思いますが
”仕事”のことを見つめられる作品でした。


9月12日全国ロードショーで本作の劇場版が
公開されます。こちらも今から楽しみです。



火天の城 (文春文庫)/山本 兼一
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