酔っ払いが路上で起きると
カバンがなくなっていた。
その中には尼崎市民46万人分の個人情報が入るUSBがあり、
全国を騒がせている。
私は、東京駅で泥酔し2,3時間寝た末にカバンをなくした経験者太郎氏に話を聞いた。
太郎は仕事帰りに仲間と飲んで、東京駅から終電を逃し徘徊後に
記憶喪失になった、
気が付くと広場のベンチにいたと言う。
のどの渇きにカバンの水を取ろうとしたら、
カバンがなかった。
太郎は駅周辺を歩きない記憶を手繰り寄せる、
終電を逃した高崎線のホーム、
誰もいないホームの立ち食い蕎麦屋で食べようとしてた事、
朝まで飲もうと歩いた道、
やはり寝ようと安いホテルを探して歩いたであろう道、
寝ていたベンチ、
起きてからカバンがないことに気が付くまで歩いた道、
太郎氏ははぐらかすが、おそらくカバンには46人ぐらいの個人情報があったようだった、
日本人の良心を祈りながらも
人生の終わりを感じた三日後、
警察から発見の知らせが届く、
受取りに行くと、中身の全てはそのままの状態だった。
カバンはホームの立ち食い蕎麦屋のカウンターの下にあった。
始発から終電まで80万人が行き交う東京駅、
ホームでそばをすする客の足元に置かれたカバンが忘れ物と気づかれるまでに三日を要したと言う。
太郎は言った、
コロナ給付金の4630万を懸賞金にでも充ててくれたら
俺が探しに行くよ、って。
その言葉に反省は感じられなかった。