ギリシャからローマへ。土砂に埋もれていた大豪邸、ピアッツァアルメリーナ。 | 添乗員 森田 世界の旅

添乗員 森田 世界の旅

放浪癖 バックパッカー 酔っ払い まじめな添乗員 恐妻 かわいい子供
ハネムーン

8月19日、午後

シチリアの東の海岸線に位置するシラクーサ内陸へ。

どこまでも続く丘陵は、どこまでも人の手の入った農地は

刈り入れ後の茶色い麦畑が続く。

紀元前210年には完全にローマによって統治されたシチリア人

は奴隷としてローマ市民の胃袋を満足させるべく酷使される。

 

148㌔を走りバスはピアッツァアルメリーナに到着。

農民達はいつでも固まって暮らし自らの家でオラが町を防御

したが、一番上にある大切な物を守るために建ち並んだ家家

の景観が、外者の視線を引き付ける。

2200人の農民が暮らす町に紛れ込みたいところだが、

今回はその裏手の渓谷へ続く5㌔深い森の中へ入っていく。

クロアチアのスプリットに宮殿を構え余生を過ごしたローマ

皇帝ディオクレティアヌスは広大になりすぎた版図を4分割

し統治する事を開始、イタリアシチリアアフリカを

マクシミアヌス帝に託した。

そんなマクシミアヌス帝の別荘が20世紀に発見された。

裏山の土砂崩れによって1700年近く埋もれていた場所から

水道橋が出て来た。

これが3500平米の一軒家に続いている。

水盤のある巨大な中庭を囲い、カサーレの古代ローマの別荘と

呼ばれる大邸宅には50程の部屋がある。その間の全ての

モザイク床が(博物館でない)あるべきところにはっきりと

残っている状態で発見された。

回廊にはローマ世界中の希少な石で、ローマ世界の様々な

動物の顔が描かれたモザイク床が、これは訪問客を多いに

驚かせたであろう、まさに現代の動物図鑑。

王妃がお付きを従えてお風呂に行くモザイク画の先には、

一家の為のスーパー銭湯があり、ローマチルコマッシモの

戦車競技の絵を床に見ながら体を鍛えたジムに、

マッサージの絵を見ながらマッサージされた部屋に、

冷水プールに、脱衣室、サウナに大浴場と床に鮮明に残る

モザイクとともに続く。

中庭を中心に客人の為の部屋が取り巻くが、長さ60mの大回廊

を経て皇帝家族が暮らしたプライベートな間へと入っていく。

大回廊に描かれたモザイク画は、広大なローマの版図より

ローマのコロッセオへと運ばれていく野獣珍獣たちの捕獲の

様子に、

船へ積む様子が描かれている。

今回も説明とモザイクに魅せられて写真は少なくロクなもの

しかなくカタジケナイが、

美しく運動するビキニの女性だけは撮った、、、

逆さまだった、、。

プライベートな礼拝堂(神事の間)にはモザイクでなく

それぞれのローマ世界ご自慢の大理石がひかれているが、

その両サイドの皇帝家族の住んだ間のモザイクこそが

ハイライト。(だが写真がない。)

 

曖昧だが、20世紀になり発見発掘された別荘も、

再び閉鎖された中修復作業に入り、近年再公開されたと記する。

ガイドさんとの別れ際、森の中に埋もれていたのはこの一軒

だけと思っていたが、この水道橋の向こうには、更なる邸宅

または町があったようだ。

その発掘が来年から始まるという。

シチリアに歴史はまだまだ眠っている。