添乗ノート、ファド、毎日大西洋に沈む夕陽を見てわかった事 | 添乗員 森田 世界の旅

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 丘の斜面を取り巻く城壁の町オビドスを出て、
向かうはユーラシア大陸最西端ロカ岬。
 
 今日も風が強く吹き抜ける。このライン北にも南にも陸
はなく、西にはもう海以外のなにもないロカ岬。
 
 ここに来るにはリスボンからレンタカーかタクシーか
バスを乗り継いでくるかという場所。圧倒的に団体を
乗せた観光バスで来る人が多くいつもいっぱいの、
ここに地果て、海始まる。byカモンエスの石碑前だが
今日はあまり人がいない。写真を撮ってもらった。

そう、今日はガイドさんのいない一日、時間に制約はなく
どこでも少しずつ予定時間を延ばし延ばしやっている。
現在午後4時、ここでも少しゆっくり時間をお過ごし頂く。

○○旅行社は今回急なストライキに伴う中、ご参加いただいた
お客様へ(会社の責任ではないのだが)精神的、金銭的ケアー
を十分にし、今お客様は気持ち良くツアー楽しんでいる。
素晴らしい対応をしてくれていて本当に感謝している。
ただ、もう少し緊急時のサービスに使えるお金があったので
 
 オレ様エルリンド運転手に〇〇ユーロを支払い、ルートを
外れてもらう。
この後ホテルに戻って夕食まで1時間お休みくださいというのは
芸がない。この前のツアーで知った、太陽海岸へゴーだ。

 
 海岸線を走る。遠くにロカ岬を眺めるギンショの浜は
サーフィンのメッカ。強い風に高い波に海に出た航海士
の勇気を思う。
 
 カスカイス、波のうけ浸食した岸壁、地獄の口と
呼ばれる場所。そうこの夕陽の時間を思い僕の一日は
進んでいた。風は止んだ。ゆっくり待とうか。
空模様も良い、これで楽しかった1日が締まりそうだ、
精神的肉体的に厳しいスタートから始まったツアーも
ここまで1300㌔のポルトガル周遊の旅もこれで締まりそうだ。

2度続けてポルトガルを周遊したことで、わかったことがある。
海の向こうになにも無く、そのなにもない海に沈む夕日が
過去を追う感情に駆らせる、
沈む夕日を引き留めたくても掴めない、待ってといっても
待ってはくれない。
日が沈むとともに、一日は過去となる。
ノスタルジー(郷愁)を含む、憧憬、思募、切なさをポルトガル語
でサウダージという。楽しかった、幸せな時間の終わり、
追い求めても手の届かない想い、過去がある。
ポルトガルに漂う詩的な哀愁、ファド(運命)は、
この大西洋に沈む太陽に全てがあるような気がした。
幼少期、貧しさの中波止場でオレンジ売りをしていた
アマリアロドリゲス見ていた夕陽。
火宅の人生だった、檀一雄もみていた夕陽はファドだ。
 
 埼玉県人の僕は、何かわかった気がした。
エルリンドは、こんな素敵な夕陽を見るため、スマフォ
を持って写真でも撮っていることだろう、
そう思いバスへ戻ると、何日かぶりのリスボン凱旋
を前に何人かのカノジョと、これから始まる楽しい
夜の約束をスマフォにて血眼でしている最中だった。
哀愁だと?バカ野郎、日はまた昇るぜ。
 
 そう、日が沈むのを心待ちにしている人もいるのだ。
悪かった、せっかくの故郷凱旋を引き延ばしてしまって。

(昨日ナザレの夕陽がイマイチだったこともあり)
大変だったスタートもここカスカイスでの夕陽の演出で
何とかうまくまとまったかな?

明日は観光最終日、リスボンの1日だ。
オブリガード!エルリンド。