https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240326/k10014402101000.html
人間の脳には、食欲や性欲などの本能的な快感を報酬として認識し、アルコールや薬物のような依存物質を摂取したり、ギャンブルのような報酬が期待される行為によって「ドーパミン」という快楽物質が分泌されます。
脳の前頭前野では、理性的に依存性などの衝動行動を抑える「セロトニン」という神経伝達物質があり、この働きも低下していると考えられています。
一般的に、ドーパミン的刺激は、オキシトシンやセロトニンなどの幸せホルモンとは根本的に違い、より強い刺激を求めてエスカレートします。
慢性的にギャンブルを行える状況が続くと、快楽に対する反応が鈍くなり、満たされない欲求を満たすためエスカレートするようになります。
そして、依存する気持ちが、止める意思を上回り、ギャンブルにのめり込んだ状態になってしまいます。
ギャンブルに限ったことではありません。
買い物依存性やタイガーウッズがそうだった
セッ◯ス依存性もそうですし、自己承認欲求なども近いものがあるでしょう。
ギャンブル依存性の概要
ギャンブル等依存症とは、ギャンブル等にのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態と定義されます。
ギャンブルに熱中するあまり日常生活の中で経済的・社会的に支障をきたしてまでも、ギャンブルをしたいという衝動が抑えられなくなるのが特徴です。
ギャンブルがやめられなくなるというメカニズムはアルコール依存性や薬物依存性のような脳の高揚感を感じる仕組みに異常が生じていると考えられ、1970年代に“病的賭博(びょうてきとばく)”という正式な病名として認められるようになりました。
ギャンブル依存性の原因
ギャンブル依存症の明確な発症メカニズムは解明されて無いようです。
しかし、ギャンブルへの依存はアルコール依存性や薬物依存性の発症メカニズムと同じく、脳内の“脳内報酬系”と呼ばれる部位の機能に異常が生じることが原因の1つと考えられています。
脳内報酬系とは、気分の高揚感、幸せ、気持ちよさなどを感じる部位であり、この部位からはドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が放出されます。
ギャンブルを続けると脳内報酬系は賭け事から得られる高揚感などに鈍感となり、絶えず賭け事をしたいという欲求に駆られるようになります。
食事やほかの娯楽など、日常生活を楽しみにくくなるとされ、日常生活が賭け事を中心に回るようになると考えられているのです。
脳の前頭前野では、理性的に依存性などの衝動行動を抑える「セロトニン」という神経伝達物質があり、この働きも低下していると考えられていますので…
依存性を抑えるセロトニンを増やす
セロトニンの材料として必須アミノ酸のトリプトファンが必要となります。
トリプトファンが多く含まれている食材は主に、豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類などです。
その他、ごま・ピーナッツ・卵・バナナにも含まれています。
動物性たんぱく質は「炭水化物(穀類、いも類、果物など)」と「ビタミンB6*」を一緒に摂ると、血糖が上昇してBCAAが筋肉に作用するため、脳内でのトリプトファンの合成が促進されます。
つまり、バランスよく主食・主菜・副菜を揃えて食事をすることで、必要とされるトリプトファンは摂取できます。
*ビタミンB6・・・鮭、さば、さんまなどの魚類、鶏胸肉やささみなどの脂身の少ない肉類、酒粕や抹茶、ごまなどに豊富に含まれています。
摂取量の目安は、体重1kgあたり2mg程度が目安。