諸國黒カレー③ 自由軒黒カレー(大阪・難波) | AKI―エーケーアイ―

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本年3月28日、ブログ開設17周年を迎えます。これまでのご声援に、深く感謝申し上げます。

金曜日は、カレー曜日。

その昔、大日本帝國海軍が洋上で曜日感覚を忘れぬよう、

金曜日にカレーライスを食べる習慣ができたとのことです。

この習慣は、海上自衛隊にも受け継がれております。

 

当ブログでもこれに倣い、黒地獄金曜日企画記事として、

諸国の黒カレー(レトルト)をご紹介致します。

 

第3週の今回は

 

自由軒 黒カレー

 

です。



この黒カレーは、大阪・難波の「自由軒」という洋食屋でつくられております。

明治43年創業の、浪速の老舗の洋食屋です。

 

サッポロビールのような名称の黒ラベルは、

骨付きの手羽元、鳥モモ肉、フライドガーリックを柱として、

旨味とからさにこだわってつくられております。


ルーの色は黒みがなく、普通のカレーの色です。


自由軒黒カレー
ごはんは黒米

このカレーも、からさがジワジワときます。

このジワリとくるからさは、黒地獄のからさのようにも感じられます。

 

黒地獄については、せめて中辛くらいで勘弁してほしい

 

と、しみじみ思いました。

 

尚、自由軒の看板は「名物カレー」とのことです。

これはチャーハンのような見た目で、月見そば・うどんのように生卵を落とすのがお約束のようです。

これにより、カレーのからさが和らぎマイルドになるといわれます。

 

私はカレーでも牛丼でもすき焼きでも、そばやうどんでも生卵かけはしません。

卵好きな方に言わせると、このマイルドになるというのが良いのだそうです。

 

これは、創業当時にごはんを保温する設備がなかった時の名残のようです。

 

そんな状況でも

 

お客様に熱々を食べていただきたい

 

との思いから、フライパンでカレーとごはんを混ぜて「名物カレー」が生まれたのだそうです。

 

また、ソースをかけるのも自由軒の創業以来の伝統のようです。

卵もソースも当時は高級品で、庶民にとっては高嶺の花だったようです。


現在では、普通のカレーライスもあります。


そういえば、同じ大阪にある阪急百貨店の大食堂でも、「ソーライ」こと「ソースライス」が流行ったそうです。


早稲田大学の学生が食べていそうな貧乏メシか?と思っておりましたが、私の勘違いでした。

貧乏メシなのはその通りですが、よもや阪急百貨店が発祥だったとは。


他店ではライスだけ注文して「ソーライ」にするのを禁止していたなか、阪急の父、小林一三さんはそれを大歓迎したのだそうです。


これには小林氏の計算があったそうですが、ここに浪速の店の人情を感じました。


阪急百貨店とは少し違った形で、自由軒でもお客様へのサービス精神が熱いことを知りました。