金曜日は、カレー曜日。
その昔、大日本帝國海軍が洋上で曜日感覚を忘れぬよう、
金曜日にカレーライスを食べる習慣ができたとのことです。
この習慣は、海上自衛隊にも受け継がれております。
当ブログでもこれに倣い、黒地獄金曜日企画記事として、
諸国の黒カレー(レトルト)をご紹介致します。
第3週の今回は
自由軒 黒カレー
です。
この黒カレーは、大阪・難波の「自由軒」という洋食屋でつくられております。
明治43年創業の、浪速の老舗の洋食屋です。
サッポロビールのような名称の黒ラベルは、
骨付きの手羽元、鳥モモ肉、フライドガーリックを柱として、
旨味とからさにこだわってつくられております。
ルーの色は黒みがなく、普通のカレーの色です。
このカレーも、からさがジワジワときます。
このジワリとくるからさは、黒地獄のからさのようにも感じられます。
黒地獄については、せめて中辛くらいで勘弁してほしい
と、しみじみ思いました。
尚、自由軒の看板は「名物カレー」とのことです。
これはチャーハンのような見た目で、月見そば・うどんのように生卵を落とすのがお約束のようです。
これにより、カレーのからさが和らぎマイルドになるといわれます。
私はカレーでも牛丼でもすき焼きでも、そばやうどんでも生卵かけはしません。
卵好きな方に言わせると、このマイルドになるというのが良いのだそうです。
これは、創業当時にごはんを保温する設備がなかった時の名残のようです。
そんな状況でも
お客様に熱々を食べていただきたい
との思いから、フライパンでカレーとごはんを混ぜて「名物カレー」が生まれたのだそうです。
また、ソースをかけるのも自由軒の創業以来の伝統のようです。
卵もソースも当時は高級品で、庶民にとっては高嶺の花だったようです。
現在では、普通のカレーライスもあります。
そういえば、同じ大阪にある阪急百貨店の大食堂でも、「ソーライ」こと「ソースライス」が流行ったそうです。
早稲田大学の学生が食べていそうな貧乏メシか?と思っておりましたが、私の勘違いでした。
貧乏メシなのはその通りですが、よもや阪急百貨店が発祥だったとは。
他店ではライスだけ注文して「ソーライ」にするのを禁止していたなか、阪急の父、小林一三さんはそれを大歓迎したのだそうです。
これには小林氏の計算があったそうですが、ここに浪速の店の人情を感じました。
阪急百貨店とは少し違った形で、自由軒でもお客様へのサービス精神が熱いことを知りました。