「ねぇ 母さん,母さん来月から一年間だけ暫定的にお小遣い上げてよ」
「何に使うつもりなの?」
「手作りの自転車を作りたいんだ」
「そう,しょうがないわね一年だけよ,お父さんには内緒よ」
「一年の間にそれからどうするか考えるよ」
それから10年
「ごめんね母さん,暫定的に上げてもらったお小遣いもう少しの間頼むよ」
「もう,毎年毎年そうなんだから・・・一体どうするつもりなの?」
「必ず何とかするよ」
そして30年経過.とうとう父さんの耳に入ってしまった.
「頼むよ父さん,そのお金がないと自転車が完成しないんだ」
「今更その金がないとどうにもならないなんて,そんな問題じゃないだろう」
「そもそも暫定的に増やしてもらったんだろう?元に戻すために何か努力
をしたのか?お前は・・・・・・」
「アルバイトでもして金を稼ぐとか,お母さんと交渉して恒久的におこづかい
を値上げしてもらうとか,そもそもお前の無駄使いは少しは減ったのか?」
「それも出来ないで一方的にお小遣いを上げてくれはないだろう」
「漫画を減らすとか,映画に行くのを減らすとか・・・・・何か方法があるだろう」
「まあそこを少しでも改善したらその後の事を考えよう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そりゃ,ないよお父さん・・・」
「いや,お父さんが知ってしまった以上許すわけにはいかない」
「そもそもお母さんが何も言わない事をいいことに何も考えずに30年も
放って置いたお前が悪いんだ」
「とにかく暫定処置はやめにしてもらうからな,よく考えろ」
と皆さんに言ってくださいよ,福田さん.