学生の頃、明治生まれの祖母に聞いた話です。

祖母は小学校の教師をしていて、昭和6年に長男の父を産んでいますが、難産だったようでお産の途中で意識が飛んだようです。

祖母は大きな川を前にしていました。川には橋がかかっていて、その橋を渡り始めました。

すると、向こう側からおじいさんが歩いてきて

「あなたはまだここを渡ってはいけない」

というようなことを言われたそうです。

ふっと目が覚めると、自分はベッドに寝ていて、家族だけでなく親戚や沢山の知り合いが自分を心配そうに見ていて、あら、どうしたのかしらと思ったそうです。まさか自分が死にかけていたとは思わなかったようです。

 

その話を聞いた時、「三途の川って本当にあるのか」と思いましたが、祖母を止めたおじいさんはいったい誰だったんだろう、冥府の関係者なのか、高次の存在なのか、そして人の生き死には自分の意思とは関係なく決まっているんだと思いました。

祖母も24年前に95歳で他界しました。子供を二人生んで、私の母が病気で私を育てられなかったため、還暦を過ぎてから私を育ててくれました。

ああ、もしかしたら祖母が川を渡るのを止められた理由の一つに、孫を母親代わりに育てるという役目があったからかもしれません。

今は祖母はご神霊として大変忙しく活躍しているようです。