ソマトサイコロジストのロペスです。

 

久しぶりに痛みの理学療法の機能改善について。頚部基部の痛みがある若い男性で組技格闘技中に痛めました。ポイントはレントゲン上での上位頚椎の変形と痛み。そして運動パターンと痛みについてです。案の定、変形は痛みに全く関与してなかったです。そして頚部後屈に伴う痛みが主訴だったのですが、頚部後屈に同期する胸椎後弯減少、腰椎前弯減少のパターンが筋の過活動を高めてしまい筋性の痛みを作っていたことがアセスメントされました。

経過としては3つのステージに分けて理学療法を進めました。まず、腰椎の安定化をDNSで改善すること、2つ目は肩甲骨内転挙上位の改善でした。良好な経過で進み、頚部後屈動作時痛はなくなり、安静時痛が残りました。安静時痛は慢性痛リハビリでは、機能的に原因が見当たらない場合は全体的に有酸素運動とかガイドライン(背部痛)に従うべきですが、機能的課題に沿う痛みの原因が考えられる場合は、年齢性別にかかわらずとことん身体機能障害を追求するべきです。

そして3つ目のステージが、肩甲骨内転挙上位が改善にしたのに残存する頚部基部の安静時痛なのですが、これがなかなか介入ポイントがわからなかったのです。しかし、両上肢を90度外転位で肘伸展位で内旋すると、制限が生じ、両上肢の重量感が一気に増強する変化が見つかりました。その時上腕の内旋に伴い肩甲骨はニュートラルにセットされました。

これは肩甲骨が適切な位置になると、上肢の重量感が生じ肩甲骨が下制方向へ引っ張られるため、肩甲骨が代償的に挙上するという動的なアライメント異常が残っているのだとわかりました。

したがって、肩甲骨をセットしたうえで、上腕骨外転90度位で最大内旋して水平伸展方向へストレッチを繰り返しました。そして外転90度位で最大内旋運動を繰り返すことで、内旋位での重量感は消失しました。

自主トレとしては低四つ這い位から方90°外転位で内旋運動を行うということを指導し、次回までの感想を待つことにしました。

 

内旋位でセットされなくなる、つまり肩内旋制限が肩甲骨の挙上内転位を引き起こしていたことが分かります。肩甲骨の運動だけでなく上肢の遠位方向からのアプローチでも肩甲骨をコントロールできるのでパピーポジションとか四つ這いに偏りやすい介入手段に広がりが出ます。特に肩90度外転位・肘伸展位で回旋運動を評価することは上肢肩甲帯頚部の機能障害を評価する一つの方法であります。

 

今日も読んでくださりありがとうございました。

ソマトサイコロジストのロペスです。

 

恒例の勉強会のお知らせです。今年は外部から講師の先生をお招きして

臨床に役立つお話をしていただきます。

実技もあります。

ぜひ奮ってご参加ください。

セラピスト同士のつながりも広がるアットホームな勉強会です。

参加お申し込みはメールで受け付けております。

【第7回ギラギラ会】

開催日時:2016年11月20日(日曜日)午前10時00分~午後17時00分(予定)

会場:専門学校 社会医学技術学院 1階 講堂

(東京都小金井市 JR東小金井駅南口徒歩5分) 

参加費:3000円(お弁当・お茶代含む)当日お支払いです。

持ち物:バスタオル・動きやすい格好(更衣室はございます)

角丸四角形: 参加申し込み方法 PT・OT・ST・学生さん・その他医療/介護職・インストラクター向け
Eメールにて受け付けます。下記申し込みアドレスに、①お名前②性別③所属④職種・経験年数⑤メールアドレス⑥この勉強会を何で知ったか⑦懇親会への出欠、を記載して送信してください。学生さんの参加もお待ちしています。
お子様同伴での参加が可能です。詳しくは下記メールアドレスまでご相談ください。
申し込みEメールアドレス:giragira.therapist@gmail.com




※終了後、懇親会を東小金井駅近くの「旬彩庭華美(居酒屋)」にて予定しております。

 

参加申し込み方法 PT・OT・ST・学生さん・その他医療/介護職・インストラクター向け

Eメールにて受け付けます。下記申し込みアドレスに、①お名前②性別③所属④職種・経験年数⑤メールアドレス⑥この勉強会を何で知ったか⑦懇親会への出欠、を記載して送信してください。学生さんの参加もお待ちしています。

お子様同伴での参加が可能です。詳しくは下記メールアドレスまでご相談ください。

申し込みEメールアドレス:giragira.therapist@gmail.com

 

プログラム(予定)

9時30分 受付開始 

10時00分 開会挨拶

10時05分 恒例!『みんなでシナプソロジー』

10時15分 講演1 『認知神経リハビリテーションとは?(仮)』(実技あり)

11時50分 講演2 『キライにならないで!内科系リハビリテーション』

13時10分 昼食 恒例!ランチョンミーティング

14時20分 講演3 『神経科学から見た運動学習』

15時25分 講演4 『A’sメソッド ~リンクする身体~』(実技あり)

17時00分 全体的な質問会や記念撮影で終了です 片付け完了次第懇親会!

 

講師

・中島広樹 先生(理学療法士) 所属:上尾中央総合病院・上尾中央訪問看護ステーション

臨床5年目から本格的に認知神経リハビリテーションを学び、イタリア・サントルソでのマスターコース修了。現在ベーシックコースや学術集会で補助講師や実技講師などを務める。資格:理学療法士・認知神経リハビリテーション専門士。

・講義内容:一般的な理学療法などで使われる客観的視点(三人称)のみではなく、目には見えない対象者の主観的視点(一人称)も重要になってきます。認知神経リハビリテーションの考え方を通して、なぜ主観的視点も重要なのか?なども含め実技(デモ)、自身の臨床を交えて『一人称』でお話させていただきます。

 

・高橋博之 先生(理学療法士) 所属先:介護老人保健施設 ハートフル田無

リハビリ助手を経て2006年に理学療法士免許取得。急性期・回復期・生活期リハビリテーションおよび地域リハビリテーションに従事。臨床で内科系(内部障害)リハビリテーションに興味を持ち、心臓リハビリテーション指導士の学会認定資格を取得。現在、在宅領域に於ける近未来の地域包括ケアシステムの在り方を模索している。資格:理学療法士 心臓リハビリテーション指導士

・講義内容:「内科」と聞いただけで敬遠されがちな、内科系リハビリテーション。でも実は、やってみたいなぁ…、と思われている方が多い領域でもあります。そんな想いのあなたへ、循環器を中心に出来る限りわかりやすく、内科系リハビリテーションの世界へ誘います。

 

・田沢優 先生(PHIピラティスマスタートレーナー)、所属先:ピラティススタジオB&B、東京大学大学院総合文化研究科  関東にピラティススタジオを4店舗直営、全国にフランチャイズ4店舗運営。

2015年より東京大学総合文化研究科身体運動科学研究室に所属。「運動学習における脳構造の可塑的変化」をテーマに運動学習におけるbehaviorと頭部MRIの関連性のデータ解析を進める。資格:PMA®-CPT(ピラティス指導・国際資格)・PHIピラティスマスタートレーナー

・講義内容:言語や定義には「広義性」があります。理学療法的観点から学ぶ「運動学習」と神経科学的観点から学ぶ「運動学習」は、同じ意味・解釈で用いられる場合もあれば、異なる意味・解釈で用いられる場合もあります。今回の講義では、「神経科学的観点からの運動学習」を中心にお話をさせていただき、現場での「思考の引き出し」を増やすヒントになればと思っております。

 

・阿久澤直樹 先生(理学療法士)所属:川越リハビリテーション病院

回復期リハ病院、整形外科クリニック、介護老人保健施設での通所リハ、療養病院における生活期リハ、緩和ケアの経験を経験。身体運動学や力学を考慮し、心理面の作用等に興味を持って臨牀に向かっている。市の介護予防事業には2009年より携わり、地域住民啓発、療法士の人材育成等に従事。資格:理学療法士、認知症ケア専門士、福祉住環境コーディネーター2級

・講義内容:A’s methodは皮膚運動学、カウンター理論を検証している最中に気がついた事実から発展させたもので、現場にゆだねられている各アライメント、筋活動の詳細について、個別性やパターンがあることにも着目しました。8つのボディタイプとベースコンディショニングによるパフォーマンスの変化の講義と実技をご紹介させていただきます。

 

今日も読んで下さり、ありがとうございました。

ソマトサイコロジストのロペスです。

 

今日来た新患の方、某有名なスポーツリハビリ施設で150日間やったんだけど、どうも膝の痛みが完全に取れないということで当院に来ました。医師の診察では半月板も多少減高していて痛みの原因には考えられるけど、片側だけなのは不自然だから理学療法評価してみて、ということでリハにも回ってきました。

 

このブログでも何度もいってますけど、慢性的な痛みは運動療法が基本です。もちろん徒手を使ってはいけないということはないのですが、とっても自信をお持ちなのかそれだけで終わる理学療法士ばかりで頭を悩ませます。

150日理学療法やったのでしょうが、静止坐位でも左膝だけ下腿外旋症候群ががっちり残っていました。ということは無論、同側大腿の内旋、knee in toe out、脊柱アライメント変位(右側弯・左回旋)による骨盤アライメント変位(骨盤そのものは歪んでません)、左肩甲骨内転が認められました。要するに全身の影響を受けて、左膝アライメントがおかしくなり半月板を減高させるくらいのメカニカルストレスがまだ残ってるよ、って患者さんの体が教えてくれました。今日は静的なテストのみでしたが動的アライメントみればもっとポイントが分かると思いました。医師と全然本質の治療をやってないんだねと話しました。

 

聞けば、前医でやってたリハビリは、ずっと座ってやってたそうです。その病院は解剖学的な構造物をリリースすることが得意そうだからそればっかやってたんでしょうか。技術磨くのもよし、それで治る人がいるので批判するわけではないのですが、少なくともガイドラインに沿うようにしないといけないと思います。ガイドラインの作成にも関わっているところなのにな。

慢性痛のリハビリが正しく伝わることを願い今日も明日も精進です。

 

今日も読んでくださりありがとうございました。

 

 

ソマトサイコロジストのロペスです。

 

恒例の慢性痛リハビリに役立つ(ちそうな)書籍紹介です。

まず1冊目は苦痛を科学する。

人の苦しみは、痛みだけでなくいろいろあります。

自分も慢性痛の勉強の中で情動的側面、つまり苦しみの勉強も

かなりしました。もちろんまだまだ足りませんのでこういった読みやすい書籍で勉強しようと思いました。

 

2冊目は人間の運動学

慢性痛リハビリは原因がないと言われている(理学療法士から見た機能的原因はいっぱいあるが)ので、解剖学の勉強はほどほどにしようというのが持論です。それよか人が動くことは慢性的な痛みに最も効果があると言われているので、人はなぜ動かなければいけないのか、動くためにどのようにできているのかなどなど、一冊に詰まったこの本は辞書的に持っておくとよいですね。

3冊目は、リハビリテーションビジュアルブック第2版。初版は私も執筆に参加していました。

リハビリ全体的なことが全体的にわかりやすく学べる本で、学生さんや1年目の理学療法士にぴったりです。私が執筆していた、「痛み」のところも引き継いでさらにわかりやすく書かれているので、オススメです。

最近、リハビリの本も頭打ちかなと思ってしまうくらい、ピンとくる本がなかったですが、ここにきて興味深い本が増えている印象です。

今日も読んでくださりありがとうございました。

 

ソマトサイコロジストのロペスです。

 

慢性痛リハビリテーションの勉強会のお知らせです。

今週末に開催予定と差し迫っていますが

まだ空きがあるということです。

 

【主催】FA(i)N研究会

【日程】2016年9月10日(土)14:00〜18:00 9月11日(日)10:00〜16:30

【会場】東小金井さくらクリニック

【金額】2day参加10000円(1day 6,000円)

http://fainstudy.jimdo.com/%E5%8B%9F%E9%9B%86-%E6%B0%B8%E7%94%B0%E3%81%95%E3%82%93/

 

こんなところで悩んでいるセラピストのみなさんに

お勧めです。

・ヘルニアやすべり症が本当に痛みの原因なの?

・腰痛や下肢痛を訴える箇所が毎回違うのはなぜ?

・動けているはずなのに、痛みだけが消えないのはなぜ?

・慢性痛の患者さんに関わると疲労困憊になってしまう。

・ストレスって痛みの原因になるの?

・神経障害性疼痛っていわれても、どうすればいいの?  

 

・痛みの基礎知識についての考察と整理。

・評価についての理解と整理。

・グループワーク:問診場面の問題点を探る。

・症例提示による、介入例の紹介と議論。介入が上手くいかなかった症例の紹介。

・発達運動学に基づいたアプローチの解説。

・呼吸の重要性について。

具体的な“方法”や“理論”を学ぶのではなく、自ら持っている技術、技能を活かすためのきっかけ、気づきを得るための勉強会です。

 

皆様の参加をお待ちしております。

 

今日も読んでくださりありがとうございました。