昨日よりも冷え込んだ朝。
今日はどんな光が生まれるのか、ワクワクしながらアリア哲学堂でのセッションが始まります。

いつもより少し薄暗くした部屋のあちこちにキャンドルを灯しました。
パイプオルガンが奏でるバッハ・オルガン小曲集が流れる中、ゆったりと制作が始まります。
デモンストレーションを見ても、「う~ん(T-T)」とはじめの一筆が中々出ない方の横で、混じりあった色の滑らかな線をグラス一杯に描くMさん。
一人がきっかけを作ると、風が吹いたようにみなさんの手が動き出します。
私のデモンストレーションだけでなく、そこにいるみなさんすべてが、ひとりひとりの表現の背中を押します。














次の一手を悩む人が回りを観察。
「そこいいね」と、隣の人の手が進む。
そんな様子を見ていると、グレープセッションのメリットを実感します。
あっという間の一時間、音楽と一緒にとても良い「気」が満ちているのを感じます。

「私はねこんな風なことを半日位、ずーっとやっていたいわ。」とおっしゃったKさん。
少し聞こえが不自由なので、スピーカーを耳元に近づけて差し上げると、目を閉じてジーっと音を味わう。そして、また一筆。
Kさんの隣にはいつも一緒に制作するご主人。
「おー、それ中々良いじゃないか」と優しく声をかけますが、Kさんには全く聞こえていなくて
「私はねそれ(ご主人の作品)より私の方がずっとロマンチックだと思うわ!」とすまし顔。
こんなやり取りが聞こえてくるのも、微笑ましくてとても素敵です。