いつも髪を切ってくれる美容師さんと話していると


美容師さん:「実は僕、来年の1月でここを辞めるんです。」


と言うので


僕:「えっ、そうなんですか?で、どこの美容院に移るんですか?」


と聞いたら


美容師さん:「カリフォルニアです。」


と答えられました。


しばし沈黙した後


僕:「カリフォルニア?」

美容師さん:「カリフォルニアです。」

僕:「遠いですね。」

美容師さん:「はい、ちょっと遠いですね。」

僕:「カリフォルニアだと通えないですよね。」

美容師さん:「ええ、ちょっと通えないと思いますね。」


ちょっとどころではないのですが、僕は激しく動揺しました。

僕はこの美容師さんをとても信頼していて

新しい美容師さんに自分の髪の毛を切ってもらうなんて

想像できなかったのです。


僕:「僕はこれからどうしたらいいんですか?」

美容師さん:「違う担当者を紹介しますから大丈夫です。」

僕:「他の人なんて考えられないんですけど。」

美容師さん:「他のスタッフも腕はいいので大丈夫ですよ。」

僕:「いや、ダメだと思うな。」

美容師さん:「…」

僕:「うーん、ほんとにどうしよう。」

美容師さん:「…」

僕:「他の人じゃダメなんですよね。」

美容師さん:「…」

僕:「カリフォルニアか。新宿とかじゃないですもんね。」

美容師さん:「そうですね。カリフォルニアですからね。」

僕:「じゃ、ま、しょうがないってことですね。」

美容師さん:「はい。通用しなかったらまた日本に戻ってきますから。」

僕:「いや、絶対通用しますよ。上手いですもん。」

美容師さん:「ありがとうございます。」

僕:「……でも、なんでカリフォルニアなんですか?」

美容師:「なんか、成り行きで…」

僕:「成り行き?」

美容師:「自分が外国で人の髪を切ることになるなんて想像もしてませんでした。」

僕:「そうなんですか?」

美容師さん:「知り合いの美容師がカリフォルニアに渡って仕事始めたんで

その関係で紹介してもらったんです。で、テストを受けたら合格して。

だからほんとにラッキーだったんです。今、付き合ってる女の子もいないし

しがらみがないならチャンスだなと思って。」

僕:「そんなことがあるんですね。」

美容師:「ま、ダメなら戻ってくればいいやと思って。」

僕:「日本だったら何やってても死ぬことはないですしね。」

美容師:「はい、そうですよね。」


僕が好きな人たちはみんな魅力的な生き方をしています。

でもそういう人は僕から離れて行ってしまうのが寂しいです。




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