ひとりでラーメン屋に入り、注文し終わって席で待っていると

目に飛び込んできたお店の文章。


”一度目はわけのわからない味。”
”二度目はやみつき。”
”三度目はラーメン中毒。”

 

僕:(”一度目はわけのわからない味”ってのは文章としてどうなんだろう?

普通一度目でわけがわからなかったら二度目は行かない気がするんだけど…)


などと考えていると、隣の席に大学生らしき二人の男性が座った。


男性A:『ここのラーメンってさ、一度目食べた時はなんか良くわかんない味だったんだよねえー。』

男性B:『へえー。』

男性A:『だけどさ、二度目来たらけっこうはまって!』

男性B:『うんうん。』

男性A::『それ以来、酒飲んだあとはいつもここに来てるんだよねー。』

男性B::『へえーそうなんだ。』


二人の男性の目の前には例の文章が目に入りやすい位置に書いてある。


僕:(なぜ、”ここに書いてあるじゃん!”と突っ込まない?前を見なよ!)


僕:(…いや待てよ。もしかすると話をしている男性も、冗談で言っているのではなく

本心から出たことばをしゃべっていて、目の前の文章には気付いていないのかもしれない。)


僕:(…いや待て待て、もしかすると話をしている男性は、以前この文章を読んだにもかかわらず

その記憶が自分の意見にすりかわってしまったのかもしれない。)



いずれにしても、これからの日本の将来が少し心配になった。


その後出てきたラーメンは、なんだか甘い味がした。