TVの正月番組は今年はほとんど見ていない。

が、ひとつだけとても面白い番組があった。

NHKの討論番組だ。

司会者が真ん中にいて、その前に二人の学者が対峙して座っている番組で、

なにやら「中国の経済成長が今後世界にどういう影響を与えるか?」的な

お堅い内容だったと思うが、あまり覚えていない。

何が面白かったかというと、学者二人が熱心に語っている時の司会者の顔なのだ。

笑っているのである。

それが、普通にニコニコしているのではなく、口を開けて声を出しそうなくらいの表情なのだ。

それも二人の議論が白熱すればするほど、その司会者の表情が比例して笑い顔になっていく。

これは一体なんだ?

二人の真面目顔な学者の後ろに、どう言ったらいいのか、もうふざけているとしかいいようのない

しまりのない笑い顔の司会者。

目が離せない。

しかし、パイプラインの建設の話にさしかかった時、フロアをチラッと見た司会者の顔が

急に引き締まった。

それからの司会者はたまに口元が緩みながらも、終始真面目に司会をしていた。

きっとフロアディレクターの出したカンペにこう書かれていたのだろう。

「笑うな!」