「犬嫁日記」5回目ですが、先週お伝えした「めまい」が治りません。

昨日は2回ぐるぐるしてました。

明日検査です。どうなるんでしょうわたし?でも日記は続けます。


犬嫁日記#5:「怒りの失踪」の巻


人は怒った時、いろんな行動パターンに出るものです。相手を攻撃したり、無視したり、泣いたりと

さまざまなリアクションを取るでしょう。

では、家の嫁さんはというと、いなくなるのです。

特にいなくなったからといって、こちらに被害はないじゃないかと思う人もいるかもしれません。

いえいえ、そんな事はありません。すんごい大変です。


東京に出てきた時、僕たち夫婦は2人とも無職で、不動産屋に行って部屋探しをしようにも、

なかなか部屋を貸してくれるところはありませんでした。

(今考えると当たり前だと思うけど、当時は全然そんな事気にもしてなかった)

やっと話を聞いてくれる不動産屋さんを見つけても、「オウム真理教の方ですか?」と言われる始末。

嫁さんはニコニコしながら「オウム?」と聞き返していました。

しかし、捨てる神あれば拾う神あり!最後に訪れた池袋の不動産屋さんは言いました。

「だんなさん、顔見れば分かるよ。あんた今無職だけど、ちゃんと働く人だよね。」

そう言って巣鴨の物件を紹介してくれたのです。

紹介された物件はお世辞にもきれいなところではありませんでしたし、

玄関を開けるとゴキブリが仰向けになって死んでました。

不動産屋さんはそれを足で素早く蹴り飛ばして 「いいところでしょう!」と言いました。

僕は当分ここしか住める場所はないだろうと考え、契約書を交わしました。

しかし、嫁さんはどうも納得してないようで、それからしばらくは毎日のように

「神戸に帰りたい。」を連発していました。


ある日また「こんなところもうやだ。神戸に帰りたい。」発言をするので、我慢できなくなって

「いいかげんにしろ!帰りたきゃ一人で帰れ!」

と言ったら、そのまま出て行ってしまい、夕方になっても帰ってきません。

さすがに心配になって携帯に連絡をすると、

嫁「ここはどこ?怒って歩いて行ったら帰り道が分からなくなった。」

僕「とりあえず、まわりに何があるか教えて。」

嫁「なんか、特にこれっていうものがないところだよ。」

僕「なんでもいいから目についたものがあったら言いなよ。」

だからなんか特徴のない街なんよ!だから東京は嫌い!

嫌い!

僕「たのむから落ち着いてくれ。冷静にまわりを見回して。」

嫁「なんかね、東京大学って看板がある。」

僕「東大か?」

嫁「なんか赤い門の前に今着いた。」

僕「東大の赤門だ!そこを動くな。」

しかし当時の僕は、東京の地理がまだ全然分かっていなかったので、

とりあえず本屋に行って地図を購入して、自分の今いる場所からどう行ったら東大赤門まで

辿り着けるかを調べねばなりませんでした。

日もとっぷり暮れてようやく赤門に着くと、そこにはうずくまっている嫁の姿が。

僕「帰ろう。」

嫁「神戸に?」

 

僕「巣鴨に。」

 

嫁「今日はね。」