本日夕方の戌渡ブログ。。。
「リビアで、カダフィ氏が、和平交渉に応じる意志を示したということです。
このニュースを受けて、日本やアジアの株価は上昇したようです。
本当に、これはよかったと言えるでしょうか?」
戌渡の勝手分析ですが、今後起こりそうなシナリオ(条件)を考えてみました。
カダフィ氏率いる体制側が和平交渉に応じると表明したようですが。
そもそも、和平が実現する可能性はどのくらいあるでしょうか?
現段階で、国民と、国軍のかなりの割合が反体制派と見られます。
しかし、報道から判断すると、武器装備などは、体制側のほうが充実しているように思われます。
1. 和平が実現するか?
仮に和平に合意できたとします。
そのときに、リビアは、カダフィ派占領地と、民主派占領地に分かれて統治されるのでしょうか?
分割がうまく行ったとしても、油田の利権やパイプラインなど、
さらにお互いの土地の通行を許すか、
地域内に住む反対の意見を持つ住民をどのように扱うか?
さまざまな問題が生じて、争いの火種が消えるまでに年単位の時間が必要でしょう。
つまり、仮に、急速に和平の合意ができたとしても、平安が戻るには長い時間がかかると
思われます。
2. 独裁者は何をするか?
さらに、和平が実現したとして、カダフィ=独裁者がこういう時に
どの様な行動を取るか思いますか?
国民が、自分を「裏切った」(と思っているに違いありませんから
国民をどのように扱うでしょうか?
イラクは、1991年に、サウジとクウェートに侵攻し(湾岸戦争) 両国および米国軍が、
サダム・フセインを追い詰めました。戦争に負け、権力崩壊は時間の問題と思われたのですが。。。
生き残りを図るフセインは、徹底的な抑圧と虐殺を行った。
(しかも米国軍は国内での批判を恐れ、抑圧された住民の武装蜂起を支援しなかった。)
このため、経済制裁下のイラクは現在の北朝鮮のように
経済も低迷し、国民は自由を奪われた。
民衆への支援物資も政権側が利用。
この状況は2003年に米国が再度イラクを攻撃するまで続いた。
その後の7年にわたるイラクの混乱状況はご承知のとおり。
3. それ以前に、誰と誰が 和平交渉するのか?
和平交渉が始まる前にいくつもの難問があります。
それは、カダフィ側は現政権です。交渉の窓口は決められるでしょう。
それでは、反政府側は、誰が交渉の代表を務めるのでしょうか?
エジプトのように、国軍が大統領への不支持を明白に表明していない以上、
反政府にまだきちんとした組織があるとは思えません。
それぞれの思惑も違うでしょう。
さらに、カダフィ側が「偽の反政府組織代表」をでっち上げて、
自分に有利な「交渉結果」を公表したらどうでしょう?
まるで映画のシナリオみたいですが 「事実は小説よりも奇なり」 かもですよ。(笑)
いずれにせよ、和平交渉が始まるまでには少なくとも週単位の時間がかかるでしょう。
4. それまではどうなる 。。。戦闘が続く のでは?
カダフィ側が、和平交渉に応じると表明しても、
相手がいないのであれば、交渉は始まりません。
しかし、「交渉に応じる」 というニュースは、
おそらく現在政府側の反攻で、装備的におそらく苦しい立場の反体制側の
戦意を喪失させる可能性もあります。
組織化されていない、反体制派は、さらに意思の統一が難しくなる
リスクもあります。
どうやら、押される一方だったカダフィは、
反体制派の国民に対して、
国際非難を恐れぬ、なりふりかまわぬ
徹底的な攻撃、空爆などをすることで、
体制を立て直したのかもしれません。
(。。。配信されるニュースからしかわかりませんが)
もしそうであれば、
反体制派の攻撃は、組織的・急速な体制転換から
戦術を変えて、
ゲリラ化する可能性があります。
そうなると、
油田やパイプラインなど石油関連施設に対する攻撃など、
政府側の体力を奪う事を狙う作戦が実施される可能性(リスク)が高まります。
終わりの見えない内戦。。。泥沼化する可能性があります。
しかし、リビアは乾燥した砂漠地域。
砂地獄・あり地獄化するのかも知れません。
アフガンとイラクで懲りた米国です。
両国からの撤退を表明しているオバマ大統領は
リビアでの軍事介入に踏み切れるでしょうか?
アフリカに権益を確保したい中国や、
自国での民主・反政府運動を抱える
アラブ諸国は、どう出るのでしょうか?
リビアのイラク化、北朝鮮化を心配します。