エジプトでのデモの動きは、

大統領への退陣要求と

暴走気味の衝突で、混乱した状況にあります。


衝突が起きると、さらにエスカレートする人達と、

平和的な運動を志向する人達と、

方針の違いが表面化するのかもしれません。


米国などは政権の即時退陣をコメントとして出していますが、

果たしてこれが、米国にとって、本当にプラスになるか

戌渡には若干疑問です。


その話はまた次にでも。


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先日、チュニジアやエジプトは、貧富の差が激しく国民の不満が

蓄積していたのだろうと書きました。

http://ameblo.jp/inuwatari/entry-10786616852.html


そして現在、反政府デモの不安定な動きが伝えられている国は、

イエメンやヨルダンなど石油資源が無く、貧しい国々です。



そして、この地域で不安定化のリスクのあるもう一つの国をご存知ですか?



それはサウジアラビアです。


サウジアラビアは、原油の埋蔵量も生産量も世界一です。

先日カタールやクウェートでは、国民がオイルマネーの恩恵を受けているので

反政府の動きになることはないだろうと予測しましたが、


なぜ、産油量一位のサウジで、不安定化のリスクが生じるのでしょうか?


それは、サウジの人口と広大な面積にあります。

カタールやクウェートが日本で言えば県程度の面積と数百万人の人口なのに対して、

サウジは日本の6倍の土地に2500万の人口を抱えています。


そして、遊牧民として草地を求めてらくだや羊を追って生きる生活から

近代的な生活を求めて町に定着するようになったものの、

仕事が得られない失業者も多く、潜在的な不満の火種はくすぶっています。


サウジ政府が、石油(ガス)化学コンビナートに続いて

自動車産業の誘致に躍起になっているのも


「石油枯渇後の将来」を見越して産業基盤を作りたい

と言う狙い以外に、

「目先の失業を減らしたい」 と言う切実な願いがあるのです。


アルカイダの指導者ビン・ラディンが

サウジの出身と言うのも有名な話です。




さらに中東各国では、国王と人民の微妙な関係が実はあります。

私も中東地域の歴史を詳しくは知らないのですが、

国民と国王はほとんどのケースで部族が違うらしいのです。


ちょうど、歴代の中国の皇帝は、侵略してきた他の部族の主だったように、

また、中世のヨーロッパでも、各国の王族や貴族は、

王族間、貴族間の親戚関係があり、

他の国で生まれ育ったものも少なくなかったように、


中東各国でも現在の国王達は、その国民達とは

血縁などではつながりの薄い「過去の侵略者の子孫」

だと言うのです。


そのあたりは、正式な苗字には何代もの祖先の名前をつなげて

長々となるアラブの伝統がありますから、

正式な苗字を聞くと一目瞭然になるわけです。



イスラム教や、アラブと言う、我々にとっては、

縁の薄かった国や、地域ですが、

キリスト教文明の国(=現在の先進国)の

勢いが低下してきた今、


これからの世界を理解するには、無視できない存在です。



この週末 「アラビアのロレンス」 などを借りてきて

改めて見てみるのはいかがでしょうか?