▶️ FGF-23

FGF-23は、リンの代謝と腎臓の健康に重要な役割を果たすホルモンです。


FGF-23とは?

FGF-23(Fibroblast Growth Factor 23)は、骨やその他の組織で産生されるホルモンです。

主にリンの代謝を調節する役割を持っています。

リンは、体内の骨や細胞膜の構成成分で、エネルギー代謝にも関与しています。

FGF-23は、腎臓に作用してリンの排泄を促進し、血中のリン濃度を適切に維持します。


FGF-23の役割

FGF-23は、以下のような重要な役割を果たします。


  • リンの排泄促進: FGF-23は腎臓に作用して、尿中へのリンの排泄を促進し、過剰なリンの蓄積を防ぎます。

  • ビタミンDの調整: FGF-23は腎臓での活性型ビタミンDの生成を抑制します。活性型ビタミンDは腸からのリン吸収を促進するので、FGF-23の作用によりリンの吸収が抑えられます。

腎臓病とFGF-23

腎臓病の猫において、FGF-23の測定は有用です。

腎臓の機能が低下すると、リンの排泄が不十分になり、血中のリン濃度が上昇することがあります。

体内のリン濃度が高い場合、以下のような問題を引き起こすことがあります。


  • 骨軟化症: FGF-23の過剰な作用もあり、活性型ビタミンDの生成が抑制され、カルシウムとリンのバランスが崩れることで骨の健康が損なわれることがあります。

  • 心血管系の問題: 心血管系の異常や高血圧のリスクを増加させる可能性があります。

  • 腎機能のさらなる悪化: 過剰なリンは腎臓の機能をさらに低下させることがあります。

FGF-23の検査でわかること


食事療法を行う際に、リンの制限が必要かどうか、判断に迷う場合があります。

FGF-23は、腎臓に「リンを排泄させる」命令のホルモンなので、残存の腎機能と比べてリンの摂取量が多すぎるかどうか、の目安になります。




まとめ

FGF-23は、猫の腎臓病ケアにおいて重要なホルモンの一つです。


リンの代謝を調節し、腎臓の健康を維持するために重要な役割を果たします。


リンを制限する食事療法の必要性の有無も判断できます。