NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
NSAIDsは、痛みや炎症を抑えるために広く使われる薬剤ですが、特に腎臓病の猫に使用する際には注意が必要です。
今回は、この「NSAIDs」について簡単に説明します。
NSAIDsとは?
NSAIDs(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)は、炎症、痛み、発熱を抑えるために使用される薬剤の一群です。
ステロイドを含まないため、ステロイドの副作用を避けることができます。
猫用の動物用医薬品では、メタカムやオンシオールなどがNSAIDsに含まれます。
NSAIDsの役割
NSAIDsは、以下のような役割を果たします。
- 痛みの緩和: NSAIDsは、ケガや手術後の痛み、慢性痛(例えば、関節炎による痛み)を和らげます。
- 炎症の抑制: 炎症を引き起こすプロスタグランジンという物質の生成を抑えることで、炎症反応を軽減します。
- 発熱の抑制: 体温を調節することで、発熱を抑えます。
NSAIDsと腎臓病
腎臓病の猫にNSAIDsを使用する場合、特に注意が必要です。
NSAIDsはプロスタグランジンの生成を抑制しますが、このプロスタグランジンは腎臓の血流を維持するためにも重要です。
腎臓病の猫にNSAIDsを投与すると、腎臓への血流が減少し、腎機能がさらに低下するリスクがあります。
使用時の注意点
NSAIDsを腎臓病の猫に使用する際には、以下の点に注意する必要があります。
- 獣医師の指導: NSAIDsの使用は、必ず獣医師の指導のもとで行うことが重要です。
適切な薬剤と投与量を決定するために、獣医師のアドバイスを受けることが必要です。
- 定期的なモニタリング: NSAIDsを使用中は、定期的に血液検査や尿検査を行い、腎機能をモニタリングします。
異常が見られた場合には、直ちに薬の使用を中止することが求められます。
- 水分補給: NSAIDsを使用する際には、十分な水分補給を行うことで、腎臓への負担を軽減します。
NSAIDsの副作用
NSAIDsにはいくつかの副作用があります。これらの副作用は特に腎臓病の猫において深刻になることがあります。
- 腎機能の低下: 腎臓への血流が減少し、腎機能がさらに悪化するリスクがあります。
- 消化器系の問題: NSAIDsは胃腸に影響を与え、胃潰瘍や出血を引き起こす可能性があります。
- 肝機能の障害: 一部の猫では、肝臓への影響が見られることがあります。
まとめ
NSAIDsは痛みや炎症を抑えるために有効な薬剤ですが、腎臓病の猫に使用する際には慎重な管理が必要です。