血液検査は獣医師にとって非常に重要な診断ツールですが、
その結果には様々な側面があります。
ケース1:猫さんが既に体重減少や多飲多尿などの症状を示している場合
腎疾患や糖尿病など特定の病気が考えられます。
経験上、このような症状がある場合、
約80-90%で予想通りの病名が確認されます。
しかし、残りの10-20%では、
血液検査の数値に問題が見られないこともあります。
これは症状が存在するにもかかわらず、
検査では病気が見つからないという状況を意味します。
ケース2:症状がない状態で行う健康診断の場合
この場合、異常値が出ることは稀で、
多くの場合、数値は基準値内に収まります。
病気を疑って検査を行った場合でさえ、
一定割合で基準値内の結果が出ることから、
症状がない状態での健康診断の結果が基準値内だったとしても、
「健康です」と断言するのは難しいというジレンマがあります。
外見上健康そうな動物が、
実は重大な病気の初期段階にあることを検査で発見することができれば、
一番理想的ですが、これは非常に稀です。
現在の血液検査はそこまで万能ではなく、
大きな期待を抱き過ぎると、
それに見合う安心感を得られない可能性があります。
じゃ、大きな病気の初期の初期、を見つけられる検査は無いですか?
動物の場合は、家庭での体重測定が重要になってきます。
これは通院ストレスや費用の面でも効率的で、
大きな病気の初期段階を見つけるのに役立つ可能性があります。
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