他院で手術された猫さんですが、

このようなご相談で来院されました。

 

 

Q.避妊手術済の猫さんが発情しているのですが、

どう考えればよいですか?

 

おそらく「卵巣残存症候群」という状態が考えられます。

 

避妊手術をしたにも関わらず、

卵巣の一部が体内に残ってしまい、

その結果として発情の兆候を見せることを言います。

 

意図的では無いはずですが、

手術で卵巣の全てを取り除くことができなかった場合、

残った部分からエストロゲンというホルモンが分泌され、

猫さんが発情する原因となります。

 

 

珍しいケースとしては、副卵巣など、

本来なら存在しない場所に卵巣組織があって、

それが機能してエストロゲンを分泌し、

発情のような行動を引き起こすこともあります。

 

 

👇卵巣摘出と子宮卵巣摘出の違いについてはこちら

 

 

👇副卵巣についてはこちら

 

 

 

Q.診断、確認方法は?

 

悪魔の証明と同じく、「無い」ということは証明できないので、

「有る」場合に考えられる事柄を見つける事になります。

 

 

1.血液検査(エストロゲンの測定)

 

主に卵巣から分泌されるエストロゲンの血中濃度を測定します。

 

エストロゲンは卵巣以外からの臓器からも分泌されるので、

卵巣を刺激するホルモンの注射を利用して、

注射をする前と後で、ホルモン濃度が上昇しているかどうかを確認する場合もあります。

 

 

2.画像診断(エコー:超音波診断、CT撮影など)

 

見つけられなかった場合に「無い」と言い切れませんが、

見つけられれば遺残の証明になります。

 

 

参考サイト