メス猫の不妊手術(適齢期)は、

月齢での判断ではなく、

体重2.0~2.5kgになった頃をお奨めします。

 

月齢ではなく個々の体格で判断

メス猫の不妊手術、いつ頃受けさせるか?という疑問。

ネットで検索をすると、『生後6ヵ月から初めての発情を迎える前の時期』

という情報が多く見られます。

 

一方で、

 

 

発情が始まってしまい、

発情期でも手術は出来ますか?

というご相談も非常に多く受けます。

 

 

生後6か月以内で発情徴候あり

猫の発情は、光(蛍光灯も含む)を浴びている時間の長さと、
過ごしている環境の温度で誘発されると言われています。

 

外で暮らしている猫と、室内で飼育されている猫では、

発情周期や、初回発情の時期が大きく違うのはこのためです。

 

 

発情に伴う手術時のリスクの増加

  • 切開創(傷口)が大きくなる
     
  • 皮下脂肪・内臓脂肪によって視野が取りづらい
     
  • 出血量が多くなる
     
  • 大きな傷口を縫うため、時間がかかる=麻酔時間が長くなる
     

持続的な発情が身体に及ぼす影響

 

 

麻酔前の血液検査。

 

猫の避妊手術の麻酔前検査で、

ALTという肝酵素が少し高い(100〜200くらい)場合があります。


避妊手術を回避して、お薬をずっと飲んでます。

手術できませんか?という転院相談も時々受けます。
 

ALT肝臓がダメージを受けたときに上昇する肝酵素ですが、肝機能の指標ではありません
お話を伺っていくと、9割方、発情期または発情を繰り返している猫の場合がほとんどです。

 

肝機能の指標(ALBBUNT-Cho、,GLU) に大きな異常が無ければ、

不妊手術は行えると判断しますが、

発情状態は、想像以上に肝臓にダメージを与えていると考えられます。

 

 

まとめ

 

メス猫の不妊手術(適齢期)は、体重2.0~2.5kgになった頃をお奨めします。

この時期をお奨めする理由は次の3つ・・・


・ 室内飼いでは生後6か月以内で発情徴候が出る猫が多いです


・ 室内飼いでは発情期は短周期で繰り返し、おさまりにくいです


・ 発情状態は病気ではありませんが、肝臓にダメージを与えています。