★必須ミネラル★リンは猫の身体の中で何をしてるの?

身体の中でのリンの働きは、

  1. 細胞や組織を動かすエネルギー源(ATP)の素材になる
  2. カルシウムとくっついて、骨や歯をつくる素材になっている
  3. DNAやRNAといった遺伝子(核酸)をつくる素材になっている
リンは食べ物から身体の中に補充されて、
余分なリンは、尿や便で体外へ排泄されます。
 

 

  高リン血症とは・・・?

 

身体のエネルギー源として重要なリンですが、

腎臓の機能が落ちると

余分なリンが体外へ排泄されず、

血液中のリン濃度が高い

"高リン血症"になります。

 

 

  高リン血症になると何が悪いの?

  • 血液の中に溜まったリンは、カルシウムとくっついて移動してます
  • くっつくカルシウムが足りなくなると、骨を溶かして血液中のカルシウムを補います
  • 骨がもろくなり、骨折しやすくなります
  • カルシウムとリンが血管にくっついて、さらに腎臓病を悪化させます
 

  慢性腎臓病(ステージ別)血清リン濃度目標値

IRISステージによって、血清リン濃度の目標値が設定されています。

IRISのステージ分類につきましては

こちらをご参照ください(日本獣医腎泌尿器学会より)

 

 

血液検査の結果

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リンの値は、PまたはPHOS、IPなどで表記されています。

 

 

  高リン血症の治療法は?

  1. 輸液療法 ⇐尿へのリンの排泄を促す
  2. 食事療法 ⇐リンの摂取制限
  3. リン吸着剤の投与 ⇐リンの吸収を抑える

 

 

 

リンは、うまみ成分の中に多く含まれているので、

リン制限食を食べてくれない猫さんも多いです。

 

一般的なフードに、カリナールレンジアレンといった、

リン吸着サプリメントを併用する方法も、

選択肢として有用です。