(初回投稿 2016年1月)リライト・加筆修正

 

 

 

~まずは、大前提です~
腎臓病用の療法食は、獣医学的に間違った事はしていません。

療法食だけを、美味しくガツガツ食べてくれるのであれば、
それは食事療法として、一番理想的です。

でも、療法食への切り替えは、難しい場合が多いと思います。
普通食や手作り食を考えてみるのも、一つの方法かと思います。

【1日にどれくらい食べればいいのか?】
まずは、1日に必要なカロリーの計算をしてみましょう。
療法食を使う場合でも、手作り食にする場合でも、
だいたいの目安は、一度計算しましょう。

計算式は本当は色々とややこしいのですが、
http://www.vets.ne.jp/cal/pc/cat.html
わりと、使いやすいツールかなと、思います。

日本人って数字が出ると、その数字に固執しがちなのですが、
だいたいの目安だと思って下さい。

カロリーの標準摂取量に達していなくても、
定期的に体重を測って、体重が減っていかなければ、まず問題ありません。

1日の摂取量の目安がわかったら、
食べさせたい食材がどういう栄養素を持っているのか、Googleで調べましょう☆

例えば、「ささみ カロリー」で検索すると、
http://calorie.slism.jp/111227/
こんな感じのページが、挙がってきます。
 

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3大栄養素の炭水化物・タンパク質・脂肪の量と、
リンの含有量は療法食だったらこのくらい、というのを参考にしてみると良いと思います。

基本的には、タンパク質は控えめ。
炭水化物、脂肪でカロリーをかせぐ。
脂っぽすぎるのも消化に悪い・・・。

などなど・・・考えていきます。

 

高齢猫の食事介助・・・の前に

 

高齢者の食事の介助を経験をされた方もいらっしゃると思いますが、
食事のお手伝いをするペースがなかなか難しいものです。

ゆっくり食べたいのに、どんどんどんどん口に無理やり入れられたら、
もう、食べたくなくなります。

猫の腎臓病も進行すると、食事の介助が必要になる事が多いですが、
早期発見が可能であれば、食べてくれるパターンを見つけやすくなります。

例えば食器の形、素材、床からの高さ・・・。
フードの粒の大きさ、ドロドロ系がいいのか?形が残るホクホク系がいいのか・・・。
これなら食べるという鉄板食材。

全く食欲が無くなってからだと、試す事が難しくなります。

 

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ウチの場合は、床から少し上げて、平たい皿がお好みのようです(o^―^o)

 

 

タンパク質を制限したいけど、療法食を食べない

 

慢性腎臓病で奨められる療法食は、タンパク質を必要最低限に制限しています。

 

 

三大栄養素のタンパク質を制限するので、

脂肪と炭水化物の割合が、相対的に増えます。

 

炭水化物を栄養源に加えてみるのはどうでしょうか?

かぼちゃの栄養バランスを、ネットで調べてみると・・・
http://calorie.slism.jp/106048/

50gで45Kcalくらい。
タンパク質は1g弱です。

 

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少しだけバターやミルクを入れて、
ポタージュみたいにしても良いと思います。

 

 

 

ネコさんによって合う・合わないがありますので、
嘔吐したり、下痢をするようなら、やめてください・・・(^_^;)

食物繊維も取れますから、便秘にも良かったり。

50gで45kcalなので、この他にあと100kcal食べて、1日のカロリーの不足を補います。

 

 

水分もたっぷり摂ってほしい
 

 

 

ウチのキャンちゃんの腎臓病が見つかってから、
我が家の夕食に、アサリやハマグリ料理が登場することが多くなりました。

 

 

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アサリのゆで汁をよく飲んでくれます。
これも、ネコさんによって合う・合わないがあると思いますので、
飲んだら吐く、というようなら止めてください。

アサリにはビタミンB12が豊富で、ビタミンB12は、血液を作るために必要なビタミンです。
貧血がひどい場合に、点滴液に混ぜることもある物質です。

 

 

ちゅ~るが好きなら、こんな使い方も

 

ちゅ~るは主食にはならないけど、

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リンの吸着剤(レンジアレン)や、
整腸剤(マイトマックス)、
鉄やビタミンのサプリ(ペットチニック)
を混ぜて、

なんとなくティラミス的な見た目😅

 

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混ぜこんで

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ぴちゃぴちゃ
ぴちゃぴちゃ

 

 

けっこう苦痛なく摂ってくれます。

 

 

生肉はあげちゃダメですか?

ネコさんには、絶対にあげてはいけないもの、がありますが、
生肉は"絶対に"ではありません。

とくにキャットフードしか食べたことがないネコさんの場合、
生肉に全く反応しなかったり、食べて嘔吐したり、下痢する場合もあります。
また、極端に免疫力の落ちているネコさんだと、ちょっとした感染が状況を悪化させる場合もありますので、お肉は加熱して与えて下さい。
体質の「合う・合わない」なので、状況に応じて対応する必要があります。

 

 

 

ウチのキャンちゃんの場合は、若い頃に鶏の生肉を食べさせていた時期があり、
けっこう食べます☆
また、数か月続いていた軟便が生肉で改善されたという経験もあります。

ムネ肉・もも肉・ささみ、どれでもいいのですが、腎臓病という事を考えると、
パサついたささみよりも、水分や脂質も一緒に摂れるムネ肉・もも肉の方が良いと思います。

痩せるため、ダイエットのために食べさせている訳ではないのですから。

肉類はタンパク質の塊です。また、リンも多く含まれています。
そのあたりは、1日のタンパク摂取量を考えながら、また、リンの吸着剤を併用しながら、
美味しく食べてもらって、体重を維持することを心がけています。

食べない療法食を開けては捨て、開けては捨て、そういう時期が、我が家でも2週間ほど続きましたが、食欲が落ちている時期は、まずは食べてもらう、エネルギーを摂ってもらう事を優先させました。

試行錯誤の連続です・・・。