負け犬の遠吠え | うのたま日誌

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漫画家卯野たまごのブログです。

うちの犬は犬を見るとかならず吠えてた。

ある夜の散歩中向かいから犬がきて、

案の定うちの犬は吠えた。

吠え続けてた。

向こうの犬は素知らぬ顔。
気にすることもなく用をたす。

うちの犬は吠え続けてる。

向こうの犬が見えなくなるまで吠えて、

最後にフンっ!と鼻を鳴らした。

それはなんとも誇らしげに。

私は「負け犬の遠吠えだよ、勝ってないよ(笑)」と声をかけた。

その時に気がついた。

その誇らしげな姿を見て、あ、違う、勝ったんだ

自分に。

うちの犬は吠え続けることで自分自身に勝ったんだ。

周りから見たらただの負け犬の遠吠えって言われるけど、

吠えることさえやめたらもうほんとに何もなくなっちゃうんだ。

負け犬だって言われても吠え続ける。
そして誇らしげに鼻を鳴らす。

俺は俺に勝った。と言わんばかりに。

誰になんて思われようが吠え続けることで
自分を奮い立たせる。

私だって負け犬だ。

みんなができることができなかった。

だから逃げた。

でも、みんなができないことが私にできるんだって

そう信じて私は吠え続けてやるんだ。

それが負け犬の遠吠えだっていい。