日韓スワップ協定、後編 | I-Def.

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名古屋の小さな芸能事務所I-Def.です。
所属タレント:ひまりかのん、夢縫あいす

 そんな訳で本日の晩ご飯は以下。

・回鍋肉
・味噌汁

 さて、前回の続きです。

 日韓通貨スワップ協定とは、日本と韓国の中央銀行である日本銀行と韓国銀行が、自国通貨を預け入れる事を引き換えに、予め決められた交換比率(レート)で、相手国の通貨を融資してもらえる事を定めた協定です。

 韓国が通貨危機になりドルが足らなくなった場合、日本銀行にウォンを預け入れる事によって、それを担保に日本からドルを借りる事ができる協定つう話で。

 今回の野田首相がやったのは、これの限度額を130億ドルから700億ドルに引き上げただけです。700億ドルまでは、日本がドルを貸してあげるよという話。

 多くの人が勘違いしているんですが、日本が韓国に5兆円(700億ドル×76円ぐらい)を援助するのではありません。あくまで700億ドルまでなら貸してあげるよであり、実際に700億ドル貸す訳でもありません。

 チェンマイ・イニシアティブ(CMI)と言う物があります。これにはIMF融資制度が発動した場合、スワップ協定により資金援助がなされる事が定められており、これが今回の日韓スワップ協定になります。IMF融資制度と言うのは、あらかじめ取り決めを結んでおけば、一定の期間内、いつでも資金の引き出しができるつう制度です。

 要するにあらかじめ契約しておけば、いつでもお金を貸すよというサラ金みたいな物だと思っておいていただければわかりやすいと思います(サラ金ほど高利貸ではない)。今回の例だと、韓国が借金を返せなくなって危機的状況に陥ったら、IMF融資制度により、日本から700億ドルを限度として、お金が借りれるよつう話。

 ただし、IMF融資制度の発動は、その国の金融自主権の放棄を意味し、その財政はIMFの管理下に置かれます。ヤ○ザに全ての通帳やカードを管理されてると思っていただければわかりやすいかと。IMFが決めた経済安定化プランを実行しなければならず、逆に言えば、それ以外に金を使う事が許されません。韓国は一度IMFの管理下になりましたね。

 IMF融資制度の発動は、韓国経済の破綻を意味するので、その場合、日本が700億ドルを融資する事は特に問題が無いと言うか、騒ぐべきところはどこにもありません。

 日本が韓国に貸すドルは、日本の外貨準備高から出ますので、我々の税金を使う訳ではありません。日本の外貨準備高は実に1兆ドルありますので、仮に限度額いっぱいの700億ドルを貸し付けたとしても痛くも痒くもありません。

 日本の外貨準備高が膨れ上がった原因は、円高にあります。あまりにも急激な円高は日本企業に重大なダメージを与えるため、それを緩和するために市場介入してドルを買った事が原因です。そのドルは市場で使う事ができません。円高になってしまいますので。

 即ち、外貨準備高のドルは、日本が使う事ができず、塩漬けにされた死に金です。どうせ使い道がないなら、韓国に貸して恩を売っておいた方が良いのです。韓国は恩を受けても感謝すらしない国ですが、「韓国デフォルト」という金融危機を救った日本に対する国際的評価は上がります。国際的な信頼は外交上有利になりまして、やはり金融に不安を抱える途上国が日本に擦り寄ってきてもらえたりします。

 実際、麻生政権の頃、日本はこの外貨準備高から、IMFに融資を行い、リーマンショックから多くの国を救っています。皆様は当時の財務相だった故中川氏の泥酔会見しか覚えてないでしょうが。本来、麻生-中川は世界の金融危機を救った英雄だったんですが。

 CMIには短期的流動性の問題(ヘッジファンド等の通貨操作)で金融危機に陥った場合、限度額10%までなら、IMF融資制度が発動してなくてもお金が借りれるよつうルールがあります。IMFが絡むと、色々面倒なんですが、10%なら関係なく融資してもらえると。なので、韓国は70億ドルまでならヤ○ザより怖いIMF管理外からお金を借りる事ができます。このため、韓国が70億ドル(5千億円ぐらい)を踏み倒すのではないかという懸念があります。

 しかし、実は日本にとって韓国が破綻してもらっては困る理由があります。韓国は我々日本のお得意様なのです。韓国工業は、日本から部品を購入して、それを組み立てて世界に売っている構造であり、韓国製品が売れれば売れるほど、日本が儲かる仕組みになっています。鵜飼いが日本で、鵜が韓国です。

 日本は韓国に自国製品(部品)を売ってますが、韓国経済が破綻した場合、つうか、外貨が不足した場合、支払いが滞ります。無い物は払えませんから。即ち、韓国へ輸出した企業の代金回収ができなくなりまして、そのため日本企業の倒産が起こります。

 今回のスワップ限度額700億円の引き上げは、善意で韓国を助けている訳ではなく、かなり経済的に危機的状況になってきている韓国から、日本企業を守るための自衛手段です。日本の韓国への輸出額は600億ドル、対韓貿易黒字が400億ドルですので、今回の700億ドルの引き上げは、妥当に見えます。

 70億ドルまではIMFが出てこないので、踏み倒される可能性がありますが、仮に踏み倒したなら、韓国の国際信用力が低下します。それにどちらにしても、韓国が破綻すると日本もダメージが大きいので、その辺りは仕方ないリスクかと思います。

 あと、「日本からドルを貰って、それでウォンを買う事により、ウォン安を解消させるのではないか。そうすると、ドルが上がるので円高になる」という人もいますが、融資を受けた資金を為替市場に流す余裕なんてありません。その時は、借金が返せるか否かの瀬戸際なため、全部、借金返済に使用されます。つうか、融資してもらった資金で為替介入なんかしたら、それこそ誰もお金を貸してくれなくなります。

 結論として、日韓スワップ協定の限度額を700億ドルにした事について、

・IMF融資制度が発動された場合、韓国は日本から700億ドルまで借金する事ができる
・IMF融資制度が無くても、韓国は日本から70億ドルまで借金する事ができる
・日本が韓国に融資する700億ドルは、通常使用できない死に金である
・韓国経済が破綻すると、日本経済も被害が及ぶ

 という事で、この話を〆たいと思います。