2018.4.24 22:02 産経新聞
【ニューデリー=森浩】インドのモディ首相が、27~28日の日程で中国湖北省武漢を訪問し、習近平国家主席と非公式首脳会談を行う。モディ氏は6月にも上海協力機構(SCO)首脳会議出席のための訪中が予定され、集中的に会合を設定することで緊張緩和を早期に実現したい意向がうかがえる。だが、南アジアで影響力を強める中国とは利害の対立もあるだけに“雪解け”に向けて、どれほど歩み寄れるかは不透明だ。
非公式会談は、インドのスワラジ外相が22日、北京で中国の王毅外相と会談した際に決まった。首脳会談は昨年9月以来で、インド外務省は目的について「パートナーシップをより強化するため」としている。
1962年には中印紛争が起きるなど領土問題を抱える両国だが、中国が現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」を通じて南アジアやインド洋地域への進出を強めて以降、関係は急速に悪化している。インドは昨年5月の一帯一路関連フォーラムへの代表団派遣を拒否。直後に中国、インド、ブータンが国境を接するドクラム地区で、中印両軍が2カ月半にわたって対峙(たいじ)する事態が発生し、関係はいっそう冷え込んだ。
一方で、モディ政権内部には「緊張の継続は好ましくない」(外交筋)という判断があった。別の外交筋は「日中関係に好転の兆しが見えるなど、世界の対中情勢が変化する中で、潮流から取り残されてしまうという危機感がある」と指摘する。また、中国は輸入相手国のトップであり、2016年度には510億ドル(約5兆5千億円)に達する貿易赤字も抱えており、摩擦の継続は経済にマイナス材料という判断も働く。
モディ政権が打った関係改善への布石の一つが、インド亡命中のチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世への対応だ。今年2月、政府職員にダライ・ラマ関連行事への参加自粛を促した。最終的にシャルマ文化相が亡命60周年を記念した講話の会に出席したが、ダライ・ラマを「分離主義者」と批判する中国に配慮を見せた格好だ。
今回の会談で何が話し合われるか不明だが、ネール大のアルカ・アチャリャ教授は「第一の目的は両国関係のリセットだ」と指摘。両首脳の関係構築に主眼が置かれるだろうと見る。
ただ、両軍撤退で合意したはずのドクラム地区付近で中国は兵舎建設やトンネル掘削を継続しており、国境での火種はくすぶり続ける。インド国内では、宿敵パキスタンに巨額の資本投下を行う中国とは「そもそも相いれない」という声も根強い。
インドと中国の接近を阻止できるのは日本だ!
安倍総理の外交が必要。
