ドラム道24

高校を卒業したら、音楽の専門学校に行くことにしたんだ。

いや、もちろん音楽の専門学校に行ったからってプロになれると思ってなかったよ。音楽の中でも特にロックは他人に教わるもんじゃないじゃん。ロックなんてそもそも不良の遊びなんだから、それを真面目に学習したり教育するのは本当は滑稽なのよ。まして、そんな教育を受けたところで本物のロックンローラーになれるわけがない。

しかし、もし高校を卒業してどこかの企業にでも就職してしまったら、そこで定年までの人生が決まってしまう。

そんなの夢も希望もないじゃん。

俺は猶予が欲しかったんだ。

専門学校に行ってる間にメンバーを探してスーパーバンドを作ってデビューしようと思ってた。

で調布にある武蔵野音楽学院って専門学校に入学したんだ。言っとくけど武蔵野音楽大学ではないからね！名前がそっくりだけど、ただの専門学校だから。入学金払えば誰でも入れるんだよ。しかもプロ養成科。わははw なんだこれ！巨人の星の大リーグボール養成ギブスじゃないだからw

武蔵野音楽院のほとんどの授業はくだらない退屈な内容だったけど、ひとつだけ良かったのはドラム実技の講師だった小川宜一先生に出会えたことだ。

小川先生はスペースサーカスってテクニカル系フュージョンバンドのメンバーだったけど、バリバリのハードロック・センスに長けたカッコいいドラマーだった。

小川先生と出会ってなければ、間違いなく俺はここにいなかったよ。

人生を大きく変えてくれた恩師だ。ドラムだけでなく人間としても影響を受けた。本当に素晴らしい先生だった。今でも心から尊敬しているよ。