血の音楽〜日本語のシラブル3 | 犬神サアカス團 犬神明オフィシャルブログ「呪ってポン!」Powered by Ameba

血の音楽〜日本語のシラブル3

80年代、日本語のシラブルを崩して英語のニュアンスに近づけようという試みが行われた。代表はサザンオールスターズだね。

日本の歌のリズムといえば明治時代の「ぴょんこぶし」だ。これはジャパニーズ・シャッフル、あるいはジャパニーズ・スウィングと呼ばれるリズムで「あんたがたどこさ」のような手毬唄に見られる「ぴょんこ・ぴょんこ・ぴょんこ…」という弾んだリズムだ。

「あんた・がーた・どーこ・さー」で拍が区切れる。

童謡「うさぎとかめ」なんかも同様に、
「もーし・もーし・かーめ・よー・かーめ・さーん・よー」と代標的ぴょんこだ。
「ずいずいずっころばし」や「もも太郎さん」もそうだ。七五調の歌詞とのマッチングもいい。

ただ、分かりやす過ぎるもんだから幼稚でダサい。

前回の記事に書いたように日本語は1音につき1文字なのに対して英語は1音に乗せられる文字数が多い。
例えば英語で「スター」を音に乗せるとき「ス」は無視して「ター」の方を音に乗せる。となると「ス」は、その音よりも前に発音しておかないとリズムが合わなくなる。必然的にアウフタクトになるわけだ。これが英語歌の特徴だ。

こんな理屈で当時のロックやニューミュージックのアーティスト達は、日本語をアウフタクトのリズムに乗せて工夫した。

ラップ童謡「おべんとうばこのうた」を知ってるだろ?

「こ・れっく・らーい・のー」に見られる出だしの「こ」はアウフタクトだ。英語的だ。日本語の本来あるべきシラブルやアクセントが崩れてカッコよく聴こえるんだ。

「うさぎとかめ」を当てはめると
「もーし・もーし・かーめ・よー」は
「も・しーも・しーか・めーよ」となる。

でも、一聴しただけでは歌詞の意味は伝わりにくくなるから注意!