物からデータへ
いまや文字や絵や音や映像はデータに変換して保存出来る時代になったね。
手紙や書籍やマンガや画集や楽譜、レコードやCD、映画や記録ドキュメンタリーのフィルム、硬いところでは契約書や土地所有権利書や戸籍謄本なども、もはや物資で保存する必要がなくなった。あらゆる文化の軌跡はデータで保存されて気軽にやりとり出来るようになったんだ。
これは便利だ。仕事が早く終わる。
だが、便利過ぎて文化の価値は下がった。
書籍やマンガやCDやDVDを万引きしたら犯罪だ。店で売ってる商品は金銭を払って手に入れるのが消費というものだ。しかし今や、どこかに落ちているデータを捜せばそれが無料で楽しめてしまう。それがたとえ違法行為(違法サイトからのダウンロード)であっても、楽しんだ後にデータを消去してしまえば証拠も残らない。やってることは万引きと変わらないのに犯罪を免れる方法はいくらでもある。
まさにやりたい放題だ。
そんなこと、なにを今更と言うかも知れないけどさ。
でもね、いま俺たちは紀元前4000年から続いたパピルス文化が幕を閉じる瞬間に立ち会ってるんだ。パラダイムシフトだ。
しっかり見届けて、未来を考えよう。