2017年 黄金郷の旅 | 犬神サアカス團 犬神明オフィシャルブログ「呪ってポン!」Powered by Ameba

2017年 黄金郷の旅

というわけで2017年あけましておめでとう!

 

去年の11月に新譜アルバム「黄金郷」を発表して、年が明けた今もまだツアーの最中だ。

この「黄金郷」の制作モチベーションについては、すでに色んなところで話してきたが改めてここに記しておこうと思う。

 

まず犬神サアカス團が結成20周年を迎えた2015年、そこで人間椅子さんとJ.A.シーザー&Asian Clack Bandさん、そしてシークレットで大槻ケンヂさんをゲストに招いたイベントが打てたのは我ながら快挙であった。

まず犬神が分類される「アングラロック」というジャンルは、この方達が築いたものであることに間違いない。中でも1960年代から現在まで寺山修司直系のアングラ文化の中心に君臨し、再びバンド活動を始めたJ.A.シーザー氏と交流を持つことができ、表舞台で感謝の意を伝えられたのは感無量だった。

なんせ犬神サアカス團(犬神サーカス団)という名称も衣装のコンセプトも白塗りも、すべて寺山修司あるいは天井桟敷へのオマージュなのだから。あくまでもオリジナルは寺山修司氏であり、音楽部門の頂点はJ.A.シーザー氏なのである。

 

翌2016年、そんな60年代アングラ文化へのオマージュをもとにしたアルバム「ここから何かが始まる」を発表した。タイトル曲の歌詞には寺山修司だけでなく、当時のアングラフォークソングからの言葉をたくさん引用した。さらに天井桟敷の役者、昭和精吾さんに語りで参加していただいた。これは我々の立ち位置を見つめ直す上でも意味のある事だった。本当に有り難いことである。犬神が寺山リスペクトバンドを名のれるのは、昭和さんとの交流から寺山演劇に出演した過去があるからだ。

 さらにその夏「寺山修司生誕80年記念音楽祭〜冥土への手紙」への出演オファーをいただいた。これは他のどんな仕事を犠牲にしてでも出演するべきイベントだった。なりより寺山修司に縁のある出演者の数に入れていただいた事が死ぬほど嬉しかった。

その矢先に昭和精吾氏の訃報が届いた。

10/12開催の「寺山修司生誕80年記念音楽祭」には昭和精吾氏への弔いの意味を込めたパフォーマンスで望んだ。

これで本当に思い残す事はなくなった。

 アングラ文化に魅了され、そのオマージュで始めた犬神サアカス團が、寺山修司直系の昭和精吾氏やJ.A.シーザー氏と交流を持つことが出来て、その存在もアングラ信望者たちに認めていただいた。これで犬神サアカス團としての目標は達成できたと言っていい。自分の中でアングラ文化へのオマージュは完全にピリオドを打った。

 

「ここから何かが始まる」というのは言い換えれば、そこで何かが終わったことを意味している。

 

つまり、ここから犬神サアカス團の黄金郷を探す旅が始まったのだ。


つづく。

 

そんなわけで今年もよろしく!