バンドの魅力8 | 犬神サアカス團 犬神明オフィシャルブログ「呪ってポン!」Powered by Ameba

バンドの魅力8

おれが通ったロックの学校は、東京都の調布にあった「武蔵野音楽学院」だ。
「武蔵野音楽大学」と名前は似てるが、全く関係ない。
武蔵野音楽学院は専門学校だった。
学校法人ではなかったから、本当はカルチャースクールだな。

当時、高校を卒業してロックの専門学校へ行こうとおもったら、
武蔵野かミューズかアンかメーザーハウスだった。
中でも武蔵野音楽学院は一番ゆるかった。入学試験とかなかった。

俺は武蔵野音楽学院のプロ養成科に入ったんだ。
いま思うと「プロってなに?ププw」みたいな疑問も湧くが、当時は真剣だった。
歴然とプロとアマとセミプロ(爆笑)という概念があった。
まあ、そのへんのシステムについては、またいつか詳しく語ろうw

プロ養成科には色んな講義があった。楽典、実技、ソルフェージュ、ジャズ理論、読譜…。
どれも内容は忘れてしまったが、ひとつだけ未だに忘れられない講義がある。
谷川史郎先生の「ロック・ワークショップ」だ!
谷川先生はバレリーナというバンドのギタリストでローランドのギターシンセのテレビCMなどにも出てたカッコいい先生だった。

その谷川先生が受け持つ「ロック・ワークショップ」の最初の講義がなんと!

業界用語

だった。

音楽用語ではなく、バンドマンの業界用語の講義だ!これは最高だった!
たしか、最初の授業が

ツェーマンゲーセン

だったw
ツェーマンゲーセンとは1万5千円のこと。
当時のバンドマン(ジャズ系)のギャラの数え方だ。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、をC、D、E、F、G、A、Bに置きかえ、それをドイツ読みして
ツェー、デー、イー、エフ、ゲー、エー、ハー、オクターブ、ナイン…となる。
本来ドイツ語ならEはエーだが、それだとAと混同するので
3はEで「イー」で、6はAで「エー」とそこは英語読みになることや、
ルーツは音名なので鍵盤は7つまでなので、それ以上の8はオクターブ、
9はナインスというジャズのコード名からナインになったこと。
また実際には、6以上はあまり使用されない(貧乏だから)ことなどを教わったw

考えるとバカバカしい内容だが、
これがジャズ理論やソルフェージュなんかよりも現場で役に立ったんだ!