誤解 | 犬神サアカス團 犬神明オフィシャルブログ「呪ってポン!」Powered by Ameba

誤解

選択肢が少ない時代には、限られた情報の中で想像力を働かせて、それを補っていたものだ。
あるアーティストが作品を発表すれば、アーティストの曲に対する想いはもちろん、その人間性、人間関係、私生活まで想像して音楽に浸ったものだった。
クソみたいな楽曲ばかりのアルバムでも擦り切れるまでレコードを聴いた。何度も聴いて無理矢理好きになった。だって他に聴くものもないし、なけなしのレコード代金の対価を回収するために必死だったからね。
いま思えば、その楽曲やアーティストが好きだという感情の中には、こちらの勝手な想像による誤解が多分に含まれていたと言っていい。
アリス・クーパーやオジー・オズボーンやジーン・シモンズといったショック・ロッカーたちは、私生活でいったい何人くらい人を殺してるのだろうかと想像したものだ(笑)。絶対にまともじゃないと思いこんでたもんね(笑)。
我々が感動してるものには多分に、このようなリスナーの勝手な誤解が介在してるのは間違いないだろう。
この誤解はアーティストが神格化されてカリスマとなるには絶対に必要な要素なんだ。