余りにもあっけなさすぎる!【「放射線殺菌」の実態】 | まぁ、こんなもんでえぇんとちゃう?

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昨日Discovery Channelの「怪しい伝説」(原題‘Mythbusters’)を観た。


この番組は所謂「都市伝説」に類するしばしば話題に上るが、それが真実かどうか良く判らない噂話について、科学的な視点から調査と実験を行なう事で、その真偽を検証すると言う人気番組である。


今回の検証事項として、『チップス・ソースの2度づけ。食べている途中のチップスをソースにつけることは、細菌感染の原因となるのだろうか』(ディスカバリージャパンホームページ より)という件があった。


この検証の中で、「チップス」(「ドンタコス」や「ドリトス」のようなスナック)を完全に殺菌するために、『市販のチップスに放射線を照射して殺菌する』場面が流れた。


我が国においては「放射線は危険だ!!!」という主張を展開して居る人間が大声でヒステリックに持論を叫んでいる様だが、「放射線殺菌」というものは現実には随分と簡単なものであった。


工場に設置された「放射線殺菌装置」にビニール袋に入ったチップスを投入すると、コンベアーで装置の内部に移動し、放射線の照射が数回行われる。

その模様は装置内部のカメラでリアルタイムで撮影され、装置外部のモニターで確認される。

兎に角殺菌操作自体は実にあっさりと行われている。


現在我が国ではジャガイモの発芽抑制にしか用いられていない放射線の照射であるが、これを他の食品の殺菌に用いれば、随分と消費者にとっても生産流通販売する側にも利益があると思える。

上記のような「はじめにスローガンありき」という主旨で反対運動している人間には、放射線殺菌のメリットとデメリットをしっかりと説明してみろと言いたい。

彼らは「不安感」のみを武器として反対運動を行っている。

現実問題として放射線殺菌は既に世界的に広く行われており、結果として億単位の人間による長期間の人体実験となっている事、また放射線照射に関して大きな事故が起きていない事には触れない。


このような手法は「不安商法」であり、「買ってはいけない」、「食品の裏側」、「病気にならない生き方」といった「不安を煽り、不正確な情報を与え、自分の主張に賛同させる」カルト同然の行動であると、自分は考える。


現在全日本スパイス協会が、香辛料について放射線照射殺菌の認可を求めているのだが、上記のような「主張する声だけは大きい人間」が居る為か、中々許可が下りないようだ。


全日本スパイス協会は日本に輸入される香辛料の細菌汚染の実態と、それによる食中毒を防ぐ為に放射線を用いる事のメリットを具体的に公表している。

自分は個人の考えとして、スパイス協会を応援したいと考えている。


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【以下、全日本スパイス協会のHP「香辛料の照射殺菌に関する要望書  概要説明」より】


2.香辛料の殺菌・殺虫処理の必要性(我楽者が一部抜粋)


 国際市場を流通する香辛料の大部分は微生物によって汚染され,害虫が混入している。[資料2参照]
 香辛料の汚染微生物のうち,ことに耐熱性の有芽胞細菌による汚染が著しく,通常,香辛料1g当たり103~105個が検出される。これらの有芽胞細菌の多くは枯草菌等の仲間であるが、セレウス菌やウエルシュ菌等の食中毒菌も1g当たり103~105個も検出されることがあるとの報告がある他、ボツリヌスA型菌による汚染例も若干報告されている。 ところで、枯草菌等の仲間は従来、食中毒性がないと言われてきたが、最近では,これらによる食中毒の集団発生がわが国でも起こり、有芽胞細菌の殺菌処理は食中毒防止の上で必要不可欠となっている。また、香辛料によっては,大腸菌群やサルモネラ菌で汚染されているものもある。それ故、食肉加工製品や魚肉加工製品等に殺菌処理してない香辛料を添加すると、食中毒発生の原因になる可能性がある。この事を回避するため,食品衛生法では食肉製品および魚肉練り製品の製造基準として,使用する香辛料1g当たりの芽胞数を103個以下にすることが義務づけられた。
 また,わが国は夏期の湿度が著しく高いため,糸状菌が貯蔵・流通中に発生し易く,香辛料のカビ毒による被害も無視できない。これまでにも,幾つかの香辛料からアスペルギルス・フラバスやアスペルギルス・オクラセウス群等の糸状菌が検出され、アフラトキシンB1やオクラトキシンA等のカビ毒を産生する可能性のある株も分離されている。さらに,害虫による食害によって生じる物性の変化が,吸湿性を高め,糸状菌の増殖をもたらし,アフラトキシンの産生につながることも知られている。従って,香辛料のアフラトキシン含有量は従来から極めて厳しく制限されている。
  このように、香辛料は食中毒およびカビ毒の原因食材となる可能性が高いため、なんらかの方法で殺菌・殺虫処理を施さねばならない。ところが,香辛料は、熱に対して高い感受性を有し、加熱殺菌方法を採用した場合には、容易に色調、香味、風味あるいは機能特性等に変化が生じ、食材や卓上添加物としての商品価値は著しく低下する。しかし,非加熱殺菌法のうちエチレンオキシドガス等化学薬品による処理はその使用を禁止されている。また、紫外線殺菌法や高圧殺菌法等の物理的な非加熱処理法はその効果が不充分である。 従って,現在,品質劣化を承知のうえで,加熱殺菌方法である気流式過熱蒸気殺菌法が採用されている。 この気流式過熱蒸気殺菌法は高温の水蒸気を利用する方法であり,その処理による香気成分の消失と変色は避けられない。それ故,殺菌効率を高めて衛生を確保するためには,その商品価値を犠牲しなければならない状況にある。
 そこで,より高品質で衛生が確保された香辛料を上市するために,殺菌・殺虫効果が確実に保証でき,品質劣化が少ない非加熱殺菌法として,国際レベルで高く評価されている放射線殺菌法の法的許可・実用化に大きな期待が寄せられる。



3.放射線による香辛料の殺菌・殺虫効果

 香辛料の殺菌・殺虫に使用できる放射線は加速器から発生する電子線とエックス線、コバルト-60 およびセシウム-137 から放射されるガンマ線のイオン化放射線とする。
 香辛料の放射線殺菌線量は被照射試料の汚染菌数によって異なるが,感受性の低い有芽胞細菌に対しては5~10kGy(キロ・グレイ)の線量で1g当たり103個以下に減少できる。
  また、糸状菌類や大腸菌群等は5kGyで殺菌可能である。なお、害虫類は0.5kGyで殺滅が可能である。一方、香辛料の香気成分である精油成分は放射線に対して著しく安定であり、50kGyでも分解せず、照射後の貯蔵過程中も変化しない。そして、香辛料の特長である抗酸化性や抗菌性、色調も照射によって変化しない。
また、放射線の種類およびエネルギーによる殺菌・殺虫効果も殆ど差がなく、いわゆる線質効果あるいはエネルギー依存性は認められない。



4.照射香辛料の健全性

(1)誘導放射能の生成
 電子線のエネルギーが10MeV(千万電子ボルト)以下の場合,照射による誘導放射能の生成は無視できる。 たとえ極微量に生成しても,それらの半減期は極めて短く,数時間で消滅してしまう。また、エックス線およびガンマ線は,エネルギーが5MeV以下では誘導 放射能の生成は無視できる。コバルト-60 から放射されるガンマ線のエネルギーは1.17および1.33MeVであり,セシウム-137のそれは0.66MeVであるため,照射による誘導放射能の生成はない。

(2)放射線による分解生成物
 放射線により食品中で起こる化学反応は,加熱調理の場合と同様に,酸化分解反応であり、そして,放射線による化学反応は分子鎖の切断反応が多いのに対し、加熱調理では環状化合物の生成も起こることが知られている。 従って,両処理によって生成される化合物の種類には大きな差はないが,それらの組成比には差が見られる。 また、これまでに放射線照射によってのみ生成される化合物は見いだされていない。
  香辛料に放射線を80kGy 照射すると有機酸類等の酸化物が微量に生成されるが、10kGyでは殆ど検出できない。なお、香辛料の1日当たりの摂取量は食品全体の0.01%以下と推定され、香辛料本来の使用目的からしても栄養学的評価は無視できるレベルである。


【全日本スパイス協会HPからの引用終了】

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