文化庁セミナー「AIと著作権」の覚え書き | 犬棒雑記帖

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最近、自分の頭の良さに陶酔しきっている戌です。なので、ライバルはAIです。この間、河原で殴り合いをして、その後、一緒に夕陽を見ました。

 

さて、久々のブログ更新です。殴られたところの治療に時間がかかりました。歳取ると治りが遅くなります。

 

(以下、面白くないよ)

 

昨日(2023-06-19)、文化庁がYoutubeで開催した「令和5年度著作権セミナー『AIと著作権』」ってのを受講しました。無料公開だったのですがリアルタイム配信のみで、おそらく今後、アーカイブが公表されるんじゃないかなと期待しています。

 

 

その覚え書きです。覚え書きなので、ちょくちょく追記・修正するかもしれません。

 

生成AIの出力に著作権があるかどうかはケース・バイ・ケースだということです(「グレイゾーン」の一言で片付けるのは、誤解を招くので危険です)。現状、最終的には司法の手に委ねるしかないようですが、基本的な考え方は整理されていたと思います。

文化庁が示した今回のセミナーコンテンツも、最後に「改竄するな」(これも正確な表現ではありません)との注意書きがありました。書き換えはもちろんのこと、一部引用もダメでしょう。おそらく各個人の主張に合わせて抜粋してしまえば、その人の都合のいいように誂えられると思います。フルコンテンツで初めて文化庁の見解が伝わるようにできていたのではないかと考えています。

基本理念に立ち返るのは重要です。ただ、司法の専門家ですら法律の文言や判例に捕らわれ、本質を見失うことも多いと考えています。「巨人の肩に乗る」のは効率的だし公平性も保たれるかもしれませんが、一方で副作用も大きく、往々として「時流」という要素が抜け落ちるように思います。また弱者(「弱者」の定義も難しいですが)救済の観点で問題になることも多いかと思います。訴訟を起こす場合は、そのリスクを覚悟し、可能であれば解決方法(いわゆる「プランB」)を準備したいところです。ただ、そのためには膨大なリソース(労力、費用、知識…)が必要になるでしょう。案外、一番手っ取り早い対策はAIを使うことだったりするかもしれません。皮肉なことかもしれませんが、争うべくは権利侵害をした人間であって、AIを始めとした機械は道具に過ぎず、利用という名の共存を選ぶのが得策だと割り切っています。

今回のセミナーの論点は著作権との関わりであって、プライバシーや肖像権、そして何より大切な人権には触れられていません。それは検討すべき行政機関も異なるものと思います。すべてを網羅的に掌握するのは至難の技でしょう。ただ、個人情報保護委員会(内閣府)が行ったOpenAI社に対する行政指導(?)では、「とにかく言いましたからね」みたいな既成事実を作っただけのように感じられてなりません。

 

 


ちなみに今回、コンテンツの中で海賊版への対応について触れられていましたが、ここだけは唐突で違和感がありました。文化庁内で「せっかくだから、これも挟んどけ」的なやり取りがあったのでしょうか?トイレ休憩用かな?