世間では、少子高齢化が騒がれていても、身近なところに

赤ちゃん子供ばかりで、老人が居ないと、ピンと来ない。


先日、一人暮らししている98歳の祖母に会いに行った。

私にとって唯一の生きている祖母で、数年前までは

髪もメイクもきっちりして、シャキシャキと動いていた。

遊びに行くと、次々とお茶やお菓子や果物を出してきて、

ひと時もじっとしていなかった。常に、洗い物をしているか、

次に出すものの準備をしているかで、常に小走りに台所を行き来していた。

そして、口癖は「あっら~~~」。 声のトーンがコツで、

こちらが話した事に驚いた時に連発していた。




今は、おばあちゃんは、椅子に座ったままで、あまり話さない。

お化粧もしなくなった。でも、肌はきれいだった。

一人暮らしは危険と判断され、朝と夕方に1時間ずつヘルパーさんが

来てくれて、あとは週に2,3度送迎バスにてデイケアで過ごしている。

それに加え、祖母が産んだ三姉妹が交替で泊りこみに行っている。


かろうじて、自分の娘たち(私の母は三人姉妹の末っ子)は覚えているものの、

それ以外の人は「誰?」状態で記憶がない。

当然、一年に1度会う程度の孫の顔は覚えていない。

耳も遠くなって、同じテーブルで話している会話に入って来ない。

耳元まで行って、大きな声で話すとちゃんと聞こえて、返事を返してくれる。

日本語は覚えているので会話は出来る。 どこから忘れてどこまで覚えているんだろう??

興味津津だった。


そんな今の祖母の口癖は、「ありがとうございます」と「すみません」。

何かをしてもらった時に、何度か言う。


私が来たということで、久しぶりの外食に、自宅から数十メートル離れた

喫茶店までランチに一緒に出かけたが、少し歩いただけで息切れしていた。

「野菜は嫌い」とサラダやブロッコリは残しつつ、

好物のさつまいも煮はどんどん食べたし、メインの豆腐ハンバーグもご飯も完食。

35キロくらいしかない小さな身体で、結構食べるんだな、と思った。

生野菜嫌いでも長生き出来るんだ? ということが確認出来た。



平均寿命を優に超えているし、生きていること自体が奇跡と言えば奇跡だが、

昔の元気な頃のおばあちゃんを知っているから、もうそのおばあちゃんには

会えないんだと思うと切ない。 

周りの人が認識出来ず、誰だか分からないのって、恐怖じゃないのかな?

と思ったが、私のことを怖がったりしなかったので安心した。


ここまで年を重ねても、周りの人たちに感謝ばかりで可愛らしい祖母、すごいなと思った。

祖母にとっての曾孫は、今のところ私が産んだ4人。

この子たちにも、祖母の気質が受け継がれているかな。。。