私は未だに、ケインくんが亡くなったとは思えない。思いたくないのかもしれない。あの悲報からもうすぐ5ヵ月が経つとは・・・



整骨院で初めてケインくんにお目にかかった時、「わぁ、可愛い」、そして「でも病気なのかな、うちの長男と同じくらいかな。」と思ったのを覚えている。モデルさんのように美しいお母様も印象的だった。 後でケインくんは今小2である長男より2つ年上で生まれつき難病と闘っていると知った。 



私は読むのが苦手である。何かを読むという作業は私にとってとてつもなく、時間が掛かる。手にとって、読み終えるまで下ろせない本は数少ないけど、この本は非常に読みやすくて、内容も釘付けになるものだった。



お母様の戸惑い、泣いても泣いても泣くほどの想い、それらが底なしに深い母性と愛情によって勇気へと成長していく様をありのままに記した作品。こんなに素直に、わかりやすい言葉で我が子と家族の物語を語れるのは素敵だと思った。



とても活動的で、周りの情報にも敏感で、ケインくんに役立ちそうな情報を見つけてはすぐに行動を起こして新商品などを入手したりするお母さん。こんなにも献身的な愛情でケインくんは守られていたんだ。そんな愛情と支えがあったからこそ、ケインくんはどんなに辛い治療にも頑張ることが出来、常に周りの人や物に対して感謝の気持ちを持てる心豊かな少年に育ったんだなと感動した。お母さんは、ケインくんの頑張りと感謝の心に驚かれているようだったけど、それはお母さん自身がケインくんに与えた宝物なのにね。



時々テレビのドキュメンタリーを見て、世の中には色々な種類の難病があることが分かる。中には脳に影響があって、言葉が話せなかったり思考に影響がある病気もある。ケインくんはロズモンド・トムソン症候群という難病に加えて免疫不全から来たと思われる血液のがんとも闘っていて体は病に蝕まれたけど、生涯を通して言葉でコミュニケーション出来たこと、頭脳や心が豊富に育った事は素晴らしいことだと思った。詩人のように美しい言葉を話したり、子供とは思えないはっとする発言をしたり。だからこそ、家族にとってはもちろん、関わった友人知人からも忘れられない大切な存在に成り得たのだろう。



9年間でここまで出来る大人もそういない。



お兄ちゃんたちも、お母さんがケインくんにつきっきりなことが多く我慢することも多かっただろうに、どうして妬んだりすることなく、それどころかケインくんに対して優しく、愛を持つことが出来たのだろう。いつでも献身的な愛を持つお母さんを支え続けた強くたくましいお父さん、近くに住むおばあちゃまと韓国のおじいちゃんおばあちゃんも、ケインくんの人柄が出来上がったのはこの家族だからなんだ、と、とにかく、感心の連続だった。



私には書ききれないので、気になった方は是非読んでみてください





ケイン、愛してるよ   著:孫理奈