新婚早々、お金も無いうちに妊娠が分かってから私は不安でいっぱいだった。
「親になる」気持ちの準備がまず無かった。
今思うととても変な悩みだと思うが、その頃の私は、「生まれて来た赤ちゃんがとてつもなく不細工で、どうしても可愛いと思えなかったらどうしよう。」 そればかり考えていた。赤ちゃんを愛することが出来るか不安だった。自分には赤ん坊を愛せるだけの愛が無いのではないか、って真剣に思っていた。
それは出産した瞬間に180℃変わった。まさに、奇跡的感動的瞬間だった。
帝王切開でも麻酔は部分的で、私の意識ははっきりしていた。
先生が「何か感じる?」と聞いて、私が「いいえ」と答えると、「良かった、かなり痛いことしているからね~」なんて恐ろしいことを言っていた。
看護婦数人が私の腹に馬乗りになり肋骨付近を押して、ようやく出てきた物体。
まだ視界に入らないが、ホギャア、と泣いたのを聞いて一安心。
本当に赤ちゃんが入っていたんだ!
そして、小さな、小さな長男を私の胸の上に乗せられた時。初めてその小さい命を目の当たりにした瞬間から、私の中の愛のcapacityはグーーーーーーーンと大きくなった。
信じられなかった。
たった一瞬でこんなことが起きるなんて。これまでの数か月の悩みは一体何だったんだ? 知らぬ間に涙がこぼれていた。
愛の量って、決まったものじゃなく、無限に増えるものなんだ。
その事を、長男が教えてくれた。