語源
本ブログでは、各テーマの考察をする導入部で言葉の意味を書くことが多いのですが言葉の背景にある概念やルーツを最初に意識合わせすることでより理解が深化するのを目的にしています。この手法は、ある評論家の方が何かを説明する時に語源から説明することで大変わかりやすく知らなかった概念やルーツに気付かされることら学んだもので面識はないものの哀悼を込めて予定を変更し言葉の「語源」をテーマに考察して行こうと思います。
●語源
◇意味
- 「語源」とは、用語はギリシア語で「語の真の意味」 étymonに由来します。
- 「語」とは、言語の構成単位の一つであり、一つ以上の形態素からなる語が集まることで句、節、文が作られます。
※「語源」「語」の学問的な情報は、膨大なためリンク先を参照して下さい。
◇目的
「語源」で焦点を当てる対象は、語源そのものではなく「手法」と「効果」について考察していこうと思います。
●情報伝達
◇コミュニケーションの3要素
メラビアンの法則でフェイス・トゥー・フェイス・コミュニケーション時のメッセージ伝達は、以下の3要素がありメッセージに込められた意味・内容の伝達の際に占める割合は、各要素が矛盾した内容を送っている状況下において、受け手は優勢な要素のほうを受け入れる傾向があると説明しています。
- 言語 :7%
- 声のトーン(聴覚) :38%
- 身体言語(ボディーランゲージ)(視覚) :55%
人と人とが直接顔を合わせて話をする場合の言葉:7%は、意図したメッセージが伝達されていない可能性があることに驚きます。それでは、文字で記録する情報媒体(本・雑誌・ブログ等)の場合は、どのような要素があるのでしょうか。
◇情報の取捨選択
人と対面しての双方向コミュニケーションでは、3要素(言語、声、身体言語)を判断し選択的に情報を受け取ることができますが、文字のみの一方向情報媒体(本、新聞など)では、要素が語で構成される見出し、文章、著者、出版元などの限定された情報要素で判断し選択した情報を受け取ることになります。
これらの対象情報要素を取捨選択する判断基準は、大別すると以下の3つに集約されると考えられます。
- 思考: 信用(根拠、一貫性、具体性、他者からの評価など)
- 感情: 好き嫌い
- 欲求: 必要性(求めているか)
上記3つの判断基準は、人それぞれに異なりまた時、場所、立場、環境などとともに変化していくものと考えられます。
●語の異なるイメージ
「海」という語に何をイメージしますかと質問されたらどのように答えるでしょうか。
以下のようにイメージをしたと一人一人答えるかもしれません。
- 南国へ観光を計画中の人は、熱い太陽とエメラルドグリーンの海
- サーフィンをする人は、台風のような大きな風と波
- 溺れかけたりクラゲに刺されたことのある人は、怖い
このように「海」という1語ですら一人一人異なるイメージを持ちます。
●まとめ
◇発信者ができること
何らかの情報やメッセージを発信しようとする時に発信者が制御できるのは、受信者が拠り所とする信用(根拠、一貫性、具体性)を表現する方法や媒体(視覚、聴覚、言語)の選択だけだと考えられます。
◇タイトル
限られた表現方法の中で情報やメッセージの発信時に必要なのが目的・目標・意図を体現するタイトル、見出し、件名、テーマ、議題等ですが通常は、複数の語で構成されています。前記考察の通り一つの語で個々人が懐くイメージが異なるため短文タイトルの文脈のなかで目的・目標・意図を端的に表現できていなければ受信者は、発信者の意図と全く違うイメージを最初に懐いたまま齟齬が進行し受け入れられないことがあります。
◇語源と信用
タイトルの文脈も重要ですがタイトル内のキーとなる語の語源を最初に説明することで、過去から概念やルーツを引いてくることができ根拠、一貫性、具体性(信用)により受信者の理解が深化する効果があるのだと考えられます。
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