【心の集中と情報の選択】
パーティー会場の喧騒の中で自分の名前や興味がある人の会話を聞き取ることができることをカクテルパーティー効果といいます。喧騒の中から興味がある情報を音源の方向と固有の音質で選別し他の雑音は、排除する音声選択機能が働いています。スポーツのフェイント(相手を惑わす見せかけの動作)や手品のミスディレクション(誤認誘導)は、視線を意図的に別の方向に移動させ視線外の映像を排除(見えなく)する映像選択機能を利用し目的を達成しています。このように五感から入る情報は、対象への心の集中により選択的(選別/排除)に感受していると考えられます。
意識的な心の集中技術により五感の選択機能を制御できれば、無秩序・無制限に入ってくる情報刺激を選択(選別/排除)し記憶の自動再生を抑制したり心の耐久度を越える強い刺激にも対応できる可能性がでてきます。
【心の集中の性質】
関連記事の「心の機能」 の【性質】で「体内の欲求や五感を通して入る刺激に潜在意識は、心を対象に自動的に集中させ一体化します。」と書きましたが一体化とは、対象へ集中し情報を得る段階で自己の感情を対象に移入し一体化したように感じることです。対象に集中し情報を得るということは、対象と自己の間に双方向の接続回路が確立され単に情報を得るだけと思っていてもいつのまにか感情移入し当事者となり感情的支配を受ける可能性があります。対象と接続された回路からは、単なるデー タだけではなく思想、意思、感情、要求、欲求、ウィルス的プログラムなどの混合した情報を受け取り対象へ集中し一体化しているためダイレクトに影響を受けるからです。現在対処しなければならないこと以外の不要な対象への接続は切断し心の集中を引き戻す必要があります。
対象と自己の一体化が生じるのは、視覚や聴覚で得られる外面的な情報のみではなく対象の内面的な行動原理を読み取り危機や利害を予測する精度を向上しようとする本能の働きだと考えられます。
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