心のストレッチ」は、「筋力ガイドイメージ法」の基礎技術でもあります。

【目的の整理】

心のストレッチでは、心を伸ばし柔軟性を高め可動領域を広げることができましたが「手足のとどく範囲で半球の立体形状に集中し移動させる」と指定した理由は、以下の通りです。

範囲: 五感で刺激を感じ筋肉を動かせる強弱が距離の近遠に比例しているからです。
半球: 半球の立体形状にしたのは心を強い衝撃から保護するための分散、緩衝、吸収や指向性の機能を持たせるためです。

【副産物】

心の機能」で触れたように大脳表面で活動している顕在意識が意識化できることは、ごくわずかで大半の処理が潜在意識下で習慣化され自動的に行われています。心のストレッチで心と体の意識的な共同作業を行い実感をともなう立体的な方向と形を制御できるようになった結果、潜在意識下で習慣化・自動化された記憶プログラムが刺激で起動され動き出した時の心の集中の移動と変形を捕捉(感情・筋力・性・知性を感知)できるようになります。また潜在意識下で心が対象に自動的に集中を移動させ固定したのを捕捉しそれを解除し分散させることや距離を保つこともできるようになります。
副産物の応用については、別枠で記述する予定です。

【課題の整理】

生命は、生存するために五感などを使い動きや目立つものを捕捉し集中し対象の情報を得て判断と行動に移ります。前半は、本能からの反射で後半の集中の方法、情報の識別、判断、行動は、後天的に学習し習慣化・自動化した重要なものです。避けられる危機は、避けるのがうまい方法だと考えられますが、中には、対峙し戦う、交渉し解決する、耐える、逃げる、(諦める)などの選択を迫られることもあります。

更に人間は、社会を形成し自然環境を人工的に作り変え捕食者からの脅威を排除してきましたが同時に社会システムに参加し維持するために過去や未来に対する長期的な危機を持つことになりました。過去から学習し現在の課題に対処し未来への予測で実体のある物事を選択し集中をするのは、有益なことだと考えられます。長期的な危機とは、実体の無い(記憶や想像上)過去の感情に集中し現在の他者との関係に集中し未来へ不安や恐れに集中し感情・体力・思考・時間という活動力を苦悩に浪費してしまうことです。

意識の階層化で役割が別れ顕在意識は、抽象化、仮想化された高度な物事を扱えるようになる反面で潜在意識下へ過度な習慣化・自動化の依存が起こり意識化できない事象がより多くなり心や体を認識し制御する能力が衰え分離と自己忘却が進行したことも一因と考えられます。


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