【都民ファーストが国政に進出し、集団的自衛権を認め、自衛隊が海外で武力行使をすることを推進する政治勢力となる可能性について】

都議会選挙は、自民党の歴史的敗北と都民ファーストの圧勝でした。

国会において、森友学園問題、加計学園問題など、安倍政権の問題点について、しっかり指摘したのは、民進党をはじめとする野党であったにもかかわらず、その果実が、イメージだけで実態のない都民ファーストに行ってしまったという非民主主義的事態です。

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私が懸念するのは、今後、都民ファーストは国政に進出し、集団的自衛権を認め、自衛隊が海外で武力行使することを推進する政治勢力として育てられるのではないか、ということです。

小池都知事は、元来タカ派の核武装論者です。保守派勢力が考えているのは、自民党と国政に進出する都民ファーストを使うことで、集団的自衛権を認め、自衛隊が海外で武力行使することを推進する政党の間だけで政権交代が行われる体制の構築であると思われます。

本来であれば、「集団的自衛権を認める改憲勢力の自民党」と「集団的自衛権を認めず憲法の平和主義を守る民進党を始めとする野党」との間で、政権交代が行われるべきです。

しかしながら、保守派勢力は、その構図を突き崩し、自民党と都民ファーストとの間で、政権交代が行われる体制を作ろうと画策しているものと思われます。言い換えますと、たとえ政権交代が起こっても、集団的自衛権を認め、自衛隊が海外で武力行使することを推進するという状態が続くことになります。

そして、その実態をなすのが、来年の創設へ向け、現在準備が進められている自衛隊の水陸機動団であると思います。水陸機動団は、日本版の海兵隊とも言われており、尖閣諸島などの離島奪還を目的として準備されていると言われてきました。

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しかしながら、もし自民党と都民ファーストとの間だけで政権交代が行われる体制が築かれると、将来的に、水陸機動団は、集団的自衛権行使を具現化し、海外における武力行使を行う部隊として、南シナ海や中近東・アフリカにも派遣されるようになるかも知れません。そして、その事実上の任務は、南シナ海や中近東・アフリカにおいて、中国の進出をチェックするということになるのかも知れません。

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それを法律面で支えるのが、秘密保護法、安保法制、共謀罪法ということであると思います。

もしそうなったら、日本は、戦後、平和憲法の下で、専守防衛に努めてきた民主主義国とは似ても似つかない、軍事国家・警察国家になってしまいます。

現在、EUは、一帯一路を通じ、中国との協力関係を深めています。アメリカも中国との直接交戦は避けると思われます。その一方で、日本が中国に対抗し、東シナ海や南シナ海、中近東・アフリカにおいて、最前線で中国と対峙するということになるかも知れません。

そのような事態が起こらぬよう、民進党を始めとする野党は、憲法が定める平和主義と民主主義を守るという旗を高く掲げ、次期国政選挙において、真の政権交代を実現することが必要です。

民進党を始めとする野党は、(1) 中国との良好な外交関係を回復すること、(2) 東アジアの平和を維持するため、北東アジア非核兵器地帯の設置と、台中関係の平和的推移を実現すること、(3) 持続的成長につながる再生可能エネルギー産業や電気・水素自動車関連産業を成長の柱とすること、(4) 拡大する中国消費市場の実需に基づき景気拡大を実現すること、を主張すべきです。

早急に総選挙を実施して政権を交代すべきです。平和主義と民主主義に立脚した新しい政権を樹立すべきです。