【民進党岡田前代表ブログへのコメント: トランプ政権を抑制するため、EUとアジア諸国が協力すべきであることについて】
民進党岡田克也前代表の1月31日付ブログ記事に、下記コメントを投稿したところ、掲載されましたので、ご紹介させて下さい。ちなみに、岡田克也事務所の秘書の方のお話によると、岡田前代表は、必ずブログに掲載されたコメントを読んでいらっしゃるそうです。
岡田前代表ブログの2017年1月31日付記事「入国禁止の米大統領令─譲れない基本的価値、安倍総理は明確に発信を」は、こちらでご参照いただけます。
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記
BUSINESS LIBERALISMこと 松崎宣明
2017年2月6日 8:43 AM
岡田前代表がおっしゃられているように、トランプ大統領が発した入国制限に関する大統領令は、イスラム教徒が多数を占める特定国家の出身者を、その理由だけで入国を禁止するというもので、宗教による差別を禁じた合衆国憲法修正第1条に違反し、アメリカ民主主義の伝統に反するものです。ワシントン州司法長官の訴えを受け、連邦地裁が違憲審査のため大統領令の差止めを決定したことは当然の結果です。
一方、これまで南シナ海の問題等において自由や法の支配を強調してきた安倍首相が、民主国家の基本的価値に反する大統領令に関し、全くコメントしないということは、彼の民主主義に関する発言が、うわべだけのものでしかなかったことの証左であると思います。
その安倍首相は、現在、トランプ大統領から円安誘導政策を批判され、窮地に陥っているようです。日銀の低金利政策を受けて円安が進み、輸出産業を中心に景気が回復するというのがアベノミクスの理屈でしたが、今後、逆に円高になれば、日本に円高不況が押し寄せることになります。円高不況、さらに、トランプ相場のメッキがはげ、株価が下落すれば、株を買い続けてきた日銀の債務超過は拡大、GPIFの損失も増大します。株価下落局面において、日銀もGPIFも株を売却出来ません。もし売却すれば、株価下落を加速させるからです。
それでも安倍首相は、アメリカだけが頼りです。というのも、安倍政権は、安倍首相の祖父が満州国政府の高官、副総裁の高村正彦の父親が特高課長、谷垣禎一前幹事長の義父が中国におけるアヘン売買の秘密工作を行っていた陸軍中将、麻生財務大臣の曾祖父が中国へのアヘン輸出を主な業務としていたイギリス商社の幹部というように、戦前の軍国主義・中国侵略の流れを汲む政治家によって構成されており、もし中国の影響力がアジアや日本で拡大した場合、彼らおよび彼らの一族は政治生命を失う可能性があるからです。
報道によると、安倍首相は、GPIFの年金積立金をアメリカのインフラ整備に使い、アメリカの雇用を増やすことまで検討しているそうです。というのも、トランプ大統領は大規模な国内インフラ整備を約束したものの、実際は、アメリカは財政難で財源がないからです。
今後、トランプ政権は、保護貿易主義に向かうとともに、石油・ガス産業の保護優遇政策を推進すると思われます。エクソンモービル前会長のティラーソン国務長官は、パリ協定からの離脱も検討しています。すでに連邦議会では上院も下院も保守派の共和党が多数を占めていますが、連邦最高裁判事に指名されたゴーサッチ氏が承認されれば、連邦最高裁でも保守派が多数を占め、大統領令に対する違憲審査が効きにくくなっていくでしょう。
このような状況の下、トランプ大統領を抑制するためには、アメリカ国内のリベラル派だけでなく、世界の国民が連携する必要があると思います。EU各国の指導者は、すでにトランプ大統領を、EU統一を脅かす「脅威」とみなし始めています。中国、日本を含むアジア諸国は、EU諸国と協力し、WTOを通じた自由貿易とグローバリゼーションの原則を維持するとともに、再生可能エネルギーの普及拡大および水素エネルギー革命を推し進めるべきです。また、カリフォルニア州を始め温暖化対策に熱心なアメリカ各州との連携を強めるべきです。
民進党を始めとする野党は、(1) 中国との良好な外交関係を回復すること、(2) 東アジアの平和を維持するため、北東アジア非核兵器地帯の設置と、台中関係の平和的推移を実現すること、(3) 中東地域安定のための外交的枠組みを構築すること、(4) 各国・各地域と連携しつつ、持続的成長につながる再生可能エネルギー産業や電気・水素自動車関連産業を成長の柱とすること、(5) 拡大する中国消費市場の実需に基づき景気拡大を実現すること、を主張すべきです。
総選挙があれば、与党は必ず議席を減らします。一刻も早く総選挙を実施して政権を交代すべきです。平和主義と民主主義に立脚した新しい政権を樹立すべきです。
参照資料:
(1)「公的年金、米インフラに投資 首脳会談で提案へ 政府、雇用創出へ包括策」2017年2月2日、日本経済新聞
(2) "European Leaders Are Now Describing Trump as a Threat" by Uri Freedman, January 31st 2017, The Atlantic
(3) "China Is Now The De Facto Leader Of Globalization", January 11th 2017, The Huffington Post
(4) "China’s Xi Jinping Seizes Role as Leader on Globalization", January 17th 2017, The Wall Street Journal
民進党岡田克也前代表の1月31日付ブログ記事に、下記コメントを投稿したところ、掲載されましたので、ご紹介させて下さい。ちなみに、岡田克也事務所の秘書の方のお話によると、岡田前代表は、必ずブログに掲載されたコメントを読んでいらっしゃるそうです。
岡田前代表ブログの2017年1月31日付記事「入国禁止の米大統領令─譲れない基本的価値、安倍総理は明確に発信を」は、こちらでご参照いただけます。
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記
BUSINESS LIBERALISMこと 松崎宣明
2017年2月6日 8:43 AM
岡田前代表がおっしゃられているように、トランプ大統領が発した入国制限に関する大統領令は、イスラム教徒が多数を占める特定国家の出身者を、その理由だけで入国を禁止するというもので、宗教による差別を禁じた合衆国憲法修正第1条に違反し、アメリカ民主主義の伝統に反するものです。ワシントン州司法長官の訴えを受け、連邦地裁が違憲審査のため大統領令の差止めを決定したことは当然の結果です。
一方、これまで南シナ海の問題等において自由や法の支配を強調してきた安倍首相が、民主国家の基本的価値に反する大統領令に関し、全くコメントしないということは、彼の民主主義に関する発言が、うわべだけのものでしかなかったことの証左であると思います。
その安倍首相は、現在、トランプ大統領から円安誘導政策を批判され、窮地に陥っているようです。日銀の低金利政策を受けて円安が進み、輸出産業を中心に景気が回復するというのがアベノミクスの理屈でしたが、今後、逆に円高になれば、日本に円高不況が押し寄せることになります。円高不況、さらに、トランプ相場のメッキがはげ、株価が下落すれば、株を買い続けてきた日銀の債務超過は拡大、GPIFの損失も増大します。株価下落局面において、日銀もGPIFも株を売却出来ません。もし売却すれば、株価下落を加速させるからです。
それでも安倍首相は、アメリカだけが頼りです。というのも、安倍政権は、安倍首相の祖父が満州国政府の高官、副総裁の高村正彦の父親が特高課長、谷垣禎一前幹事長の義父が中国におけるアヘン売買の秘密工作を行っていた陸軍中将、麻生財務大臣の曾祖父が中国へのアヘン輸出を主な業務としていたイギリス商社の幹部というように、戦前の軍国主義・中国侵略の流れを汲む政治家によって構成されており、もし中国の影響力がアジアや日本で拡大した場合、彼らおよび彼らの一族は政治生命を失う可能性があるからです。
報道によると、安倍首相は、GPIFの年金積立金をアメリカのインフラ整備に使い、アメリカの雇用を増やすことまで検討しているそうです。というのも、トランプ大統領は大規模な国内インフラ整備を約束したものの、実際は、アメリカは財政難で財源がないからです。
今後、トランプ政権は、保護貿易主義に向かうとともに、石油・ガス産業の保護優遇政策を推進すると思われます。エクソンモービル前会長のティラーソン国務長官は、パリ協定からの離脱も検討しています。すでに連邦議会では上院も下院も保守派の共和党が多数を占めていますが、連邦最高裁判事に指名されたゴーサッチ氏が承認されれば、連邦最高裁でも保守派が多数を占め、大統領令に対する違憲審査が効きにくくなっていくでしょう。
このような状況の下、トランプ大統領を抑制するためには、アメリカ国内のリベラル派だけでなく、世界の国民が連携する必要があると思います。EU各国の指導者は、すでにトランプ大統領を、EU統一を脅かす「脅威」とみなし始めています。中国、日本を含むアジア諸国は、EU諸国と協力し、WTOを通じた自由貿易とグローバリゼーションの原則を維持するとともに、再生可能エネルギーの普及拡大および水素エネルギー革命を推し進めるべきです。また、カリフォルニア州を始め温暖化対策に熱心なアメリカ各州との連携を強めるべきです。
民進党を始めとする野党は、(1) 中国との良好な外交関係を回復すること、(2) 東アジアの平和を維持するため、北東アジア非核兵器地帯の設置と、台中関係の平和的推移を実現すること、(3) 中東地域安定のための外交的枠組みを構築すること、(4) 各国・各地域と連携しつつ、持続的成長につながる再生可能エネルギー産業や電気・水素自動車関連産業を成長の柱とすること、(5) 拡大する中国消費市場の実需に基づき景気拡大を実現すること、を主張すべきです。
総選挙があれば、与党は必ず議席を減らします。一刻も早く総選挙を実施して政権を交代すべきです。平和主義と民主主義に立脚した新しい政権を樹立すべきです。
参照資料:
(1)「公的年金、米インフラに投資 首脳会談で提案へ 政府、雇用創出へ包括策」2017年2月2日、日本経済新聞
(2) "European Leaders Are Now Describing Trump as a Threat" by Uri Freedman, January 31st 2017, The Atlantic
(3) "China Is Now The De Facto Leader Of Globalization", January 11th 2017, The Huffington Post
(4) "China’s Xi Jinping Seizes Role as Leader on Globalization", January 17th 2017, The Wall Street Journal