【民進党岡田前代表ブログへのコメント ー TPPはブロック経済化につながり、世界経済の成長を阻害することについて】

民進党岡田克也前代表の10月20日付ブログ記事に、下記コメントを投稿したところ、掲載されましたので、ご紹介させて下さい。ちなみに、岡田克也事務所の秘書の方のお話によると、岡田前代表は、必ずブログに掲載されたコメントを読んでいらっしゃるそうです。

岡田前代表ブログの2016年10月20日付記事「生前退位等の問題─全体の進め方、議論の範囲を内閣委員会で確認」は、こちらでご参照いただけます。

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BUSINESS LIBERALISMこと 松崎宣明
2016年10月26日 9:25 AM

岡田前代表におかれましては、衆議院内閣委員会において、天皇陛下の生前退位問題、リニア新幹線への財投資金投入と財政健全化の問題、2020年度プライマリーバランス黒字化についてご質問をいただき、ありがとうございます。感謝申し上げます。


ところで、今国会ではTPP審議が中心になるはずでしたが、与党政権の農林水産大臣による強行採決発言に示されているように、与党政権は形式的に委員会審議および参考人質疑を行ったのち、強行採決を行う方針のようです。一方、メディアは4年先のオリンピック・ボート会場を報道している状態です。

国民にとって最も重要な問題に関し、与党政治家もメディアも発信を避け、責任を逃れようとしています。民主主義が機能していません。

TPPの本質を理解するためには、ふたつの側面からTPPを理解する必要があると思います。

ひとつめはISDS条項です。ISDS条項は、多国籍企業がTPP参加各国の政府よりも強い権限を持つことを可能にします。国家主権が侵害され、各国国民の主権が侵害されます。

ふたつめはTPPがブロック経済化をもたらすということです。TPPは、TPP参加国の製品については自由貿易を促進しますが、非参加国の製品に対しては、これを排除する傾向を持ちます。その結果、世界経済が分割され、ブロック経済化することとなります。具体的には、中国が排除されることになります。

戦前の歴史が示すように、世界経済が分割されれば、世界経済の成長が阻害され、成長が縮小することとなります。各国の景気は後退し、失業者が増えるでしょう。

今国会冒頭において、野党は、アメリカの大統領候補がいずれもTPPの見直しを表明していることを指摘し、拙速なTPP批准を避けるべきと主張しました。これに対し、与党政権は、むしろ日本がTPPを早期に批准し、TPPを推進する役割を果たすべきだとしました。与党政権は、国民の一般福利より特定利益を優先させるとともに、中国の排除を推進したいようです。

安倍政権は発足以来、特定秘密保護法成立、集団的自衛権容認の閣議決定、安保法制成立、憲法改正、TPP推進へと、急速に保守化・右傾化の流れを進めています。

安倍政権は、安倍首相の祖父が満州国政府の高官、副総裁の高村正彦の父親が特高課長、谷垣禎一前幹事長の義父が中国におけるアヘン売買の秘密工作を行っていた陸軍中将というように、戦前の軍国主義・中国侵略の流れを汲む政治家によって構成されています。

彼らは、我々一般の国民とは異なった利害関係を有する人たちです。彼らを、我々一般国民から切り離すべきです。

早急に総選挙を実施して政権を交代すべきです。平和主義と民主主義に立脚した新しい政権を樹立すべきです。