【来たるべき国政選挙の争点について】

1. 現在、安倍首相は、アメリカの経済学者・経済人との会談を重ね、消費税増税先延ばしの正当化に腐心しているようです。衆参ダブル選挙への地ならしかも知れません。

一方、野党は、消費税増税先延ばしを求める法案の共同提出を検討しています。

ただし、報道によると、民進党は、消費税増税先延ばしを求める法案の提出に慎重と伝えられています。社会保障費の充実および財政健全化への責任を主張していた民主党の政策との整合性が、その背景にあるものと思われます。

であるとすれば、たとえば、消費税増税の先延ばしとともに、社会保障費の充実・財政健全化のため、公共事業費の削減・法人税引き上げ、富裕層への課税強化を打ち出すことによって、論理的一貫性は維持されるものと思われます。

2. いずれにせよ、与党も野党も、消費税増税先延ばしの立場に立つのであれば、消費税増税先延ばしは、選挙の争点とはならなくなります。

その結果、参議院選挙あるいは衆参ダブル選挙において争点となるのは、「安全保障」と「経済」になるものと予想されます。

3. 先に桑名市で行われた演説会において、民進党の岡田代表は、安全保障に関し、「安倍政権は、安保法制で限定的集団的自衛権を導入したが、さらに参議院選挙で3分の2の議席を獲得し、憲法を変えて、制限なしの集団的自衛権を実現しようとしている。日本が、アメリカやイギリス、フランスのように戦争が出来る国になってしまう。平和主義が失われてしまう。それを許すわけにはいかない。」と主張しました。

このため、来たる国政選挙における安全保障の争点は、「集団的自衛権」VS「平和主義・立憲主義」であり、「軍事力を優先させた安全保障の実現」VS「外交を優先させた安全保障の実現」になるものと思われます。

4. また、同じく桑名市で行われた演説会において、岡田代表は、経済に関し、「経済を成長させることも大事だが、それを再分配するのはもっと大事。成長させるだけでは、一部の人に富が集中してしまう。成長のパイを再分配するのが政治の役割だ。」と主張しました。

このため、来たる国政選挙における経済の争点は、「富の集中(経済成長のみ追求)」VS「格差是正(経済成長プラス再分配)」になるものと思われます。

争点が明確化され、与野党の主張がそれぞれ提示されることにより、国民は、投票を通じ、主権を行使することが可能となります。