みなさま、こんにちは
アルファサポート行政書士事務所の佐久間です。
今日は、配偶者ビザが不許可になるかたが気づいていない根底にあるポイントという題でお届けします。
配偶者ビザの不許可には様々なパターンがあるので、もちろんすべての方がそうというわけではないのですが、明らかな1つのパターンに油断があります。
弊社にはしばしば配偶者ビザをご自身で申請されて、残念ながら不許可になってしまった案件が持ち込まれるのですが、中には、これほどまでに困難な案件をよくご自身で申請されたなあ、というようなものもあります。
ではなぜ、プロからみても難しい案件を、素人であるご自身が申請してもいけるはずだと誤解してしまわれたのかということなのですが、
ひょっとしたら面倒な国際結婚手続きを自力で達成できたことによる自信がそうさせてしまったのかもしれません。
あんなに面倒な国際結婚手続きを誰の手も借りずにじぶんたちでやり切ったのだから、配偶者ビザもいけるはずだと考えてしまったケースです。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
国際結婚手続きは「届出制」なので、書類がそろっていれば、役所の裁量が働く余地はほとんどなく結婚は成立するしくみになっています。
日本人同士の結婚でも、結婚しに市役所へ行ったのに、結婚できずに帰ってきたという話は聞いたことがないはずです。
この事情は国際結婚でも同じで、書類がきちんと整っているのであれば、国際結婚が成立しないということはありません。
ここでの例として適切か不明ですが、「獄中結婚」という言葉があるようにお相手がたとえ塀の中にいようとも結婚はきちんと成立するのです。
婚姻届を役所が受理した瞬間に、結婚は成立する仕組みになっています。
ところが、配偶者ビザの手続きは「許可制」なので、役所の裁量が広く働きます。
許可制とは、本来は一律に禁止されていることを、申請人にかぎって禁止を解除するしくみをいいます。
本来はできないことを、自分についてだけその禁止を解除してくれというのが許可制ですので、
みんなができることを私もやりたいという届出制よりもハードルは段違いに高くなります。
入管は書類がそろっていれば申請を受け付けしますが、申請が受け付けられた後に審査があり、許可と不許可にふるいがかけられることになります。
配偶者ビザ申請の場合、条件を満たしていることの立証責任は申請人にありますので、立証に失敗すれば配偶者ビザは不許可になります。
よくテレビのドラマやニュースなどで、「証拠不十分により容疑者が釈放された」と耳にすることがあります。
刑事法の分野では、立証責任が国側にありますから、国が証拠を十分に用意できなかったばあい、国がその不利益を負うので、
容疑者は釈放されることとなります。
しかしながらビザ申請の世界では、立証責任は申請人にあるとされているので、申請人が配偶者ビザの条件を満たしていることの証拠を十分に用意できなかった場合、その不利益は申請人が負うこととなるので、配偶者ビザは不許可となります。
せっかく国際結婚が成立したのに配偶者ビザがもらえずに途方にくれてしまう方が多くいらっしゃるのは、両者が届出制と許可制というまったく性質の異なる手続きだからとも言えるでしょう。
ハードルの高さが本来的に段違いであることに事前に気づいていると、かしこく対応することができるかもしれません。
ではまた
〇おまけ〇 ご興味のある方はどうぞ。
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