突然ですが皆さま、
「黒作り」ってご存知ですか?

いわゆるイカの塩辛ですが、イカ墨を使うので「真っ黒」。
富山では古くから親しまれている珍味、なんですよ。
どのくらい古いかというと、ゆうに300年の歴史があるというから凄い。

とにかく、見た目のインパクトから、
初めて目にした方は「ぎょっ!」と引いてしまうと思うのですが、
先日。TVの人気番組「県民ショー」で紹介されたことがきっかけで、
現在、在庫切れになるほどの人気なんですって!


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数ある黒作りの中でも、わたしのお気に入りといえば、
「たべるの」でもお馴染みの蒲鉾屋「河内屋」さんの黒作り。
濃すぎず薄すぎずの塩加減が絶妙で、なんともいえない芳香があるのラブラブ

「鮨蒲本舗 河内屋」 http://www.kamaboko.co.jp/


黒作り=酒の肴 というのが定説ですが、
要はイカ墨入りの素材と考えればこんなお料理もアリなわけ。

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黒作りのパスタ音譜
http://www.taberuno.com/sawaki/411.php

上に乗せているのはクレームエペス。
もう、絶品なので、是非お試しいただきたい一品なの~ラブラブ!



でね、昔から黒作りに合わせるのは日本酒か焼酎、でしたが、
わたし、ワインとのマリアージュを発見してしまったの!

しかも、イタリアの赤ワイン!!!

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カンパーニャ州の作り手「ムスティッリ」が作る赤。

これが、ほ~~~んとうに夢のように合うんです。

実際に、河内屋の皆さんとも試飲し食してみたんですが、
ワイン好きの社長ご夫妻も「えええ???」って目を丸くされるほど、
お口の中でなんともいえない化学変化を起こしたんですね。

まず一口、黒作りを食べて、その味がまだ残っている間にワインを飲みます。
すると、お口の中で双方の味が混じり合い、
黒作りだけでも、ワインだけでも感じなかった、第3の味がうわっと出てきます。
甘やかな味わいが口いっぱいに広がり、同時にバラの香りがふわりと鼻腔から抜けました。
これ、もう奇跡としか言いようがありませんでしたね。

ちなみに、赤ワインなら何でも良いか、というとやはりダメで、
同じようにボルドーの赤や、チリのカベルネなどで試したら、
お口の中に生臭い味と香りが広がってしまった。。。
いわゆるこれが「悪い相性」というやつ。

いやはや、ワインと料理の相性って、本当に奥が深いです。



そもそも、このマリアージュを発見したきっかけは、
ムスティッリを引っ張ってきたインポーターの社長さんのひと言。

「イタリアのナポリの近くで見つけた赤ワインがね、
 不思議なほどイカの塩辛と良く合うんだよねぇ~」

ソムリエの教科書の中でイカの塩辛と赤ワインという組み合わせは、
むしろタブー、お互いの味をぶち壊してしまう、最悪の相性のハズ。

でも、わたしは元々カンパーニャ州のワインが大好きで、
あの土地の性質(火山灰が多い)が生み出す独特の個性を考えると、
あり得ない話でもないと「ピン」と来ちゃったんですよね。
しかも、あの辺りは、タコもイカもよく食べますしね。


で、さっそく実際に取り寄せて試飲して味わったとき、
その、豊かな鉄分と味妙な塩味を含んだ豊穣なる赤ワインは、
一般的な塩辛より、我が故郷富山の黒作りに合うに違いない!って、
もう直感的に確信しちゃいました。
そうして、ムスティッリを抱えて富山に出掛け、河内屋さんとご一緒に黒作りと赤ワインをいただいたわけです。


ワインと料理の相性(マリアージュ)を考えるとき、
どうしてわたしが
「固定概念に縛られるな」「先入観を持つな」を旨としているか、
こうしたエピソードからもおわかりいただけると思います。

自由な感性で、たくさんの情報をインプットして、
さらに自由な感性でトライし、アウトプットしていく。


皆さんにも、是非、自由にワインを楽しんでいただきたいです。
そのきっかけを、わたしがお作りできれば、これ以上の幸せはありません。


マリアージュの自由人になりましょう!!!

その教科書は「沢樹舞お薦めワインセット」です音譜
(…ってオチは宣伝か?!・笑)