先日、富山で「つばいそ」を買いました。
「つばいそ」って、多分聞き慣れない言葉だと思います。
それもそのはず、富山の方言ですので(笑)。
つばいそとは魚の名前、ぶりの幼魚のこと。
何度か名前を変えて、ぶりになるのです。
出世魚であるぶりには、全国で100以上の名前があるのだとか。
ちなみに富山ではこんな風に呼びます。
つばいそ(こづくら)→ふくらぎ→はまち→かんど→ぶり
梅雨から夏にかけて、こづくらが旬になり、
秋は、ふくらぎやはまちやかんど、
そして冬には、ぶりとなって富山湾に帰ってきます。
なんといっても富山のぶりは日本一!!!
「寒鰤」は、冬の味覚の王様です。
ご存知のように、ぶりの魅力はなんといっても、
とろけるような脂分にあります。
ところが、つばいそは、オイリーさが全くさっぱりしている。
でも、不思議なことに、とってもコクがあるんですね。
旨みが詰まっている…というか。
富山の伝統的な家庭料理に、
「つばいそと茄子の煮物」があります。
子供の頃、母がよく作ってくれたなぁ…。
それを思い出しながら、でも、レシピは自分流。
鍋で煮汁(酒、みりん、しょうゆ、水を各同量)を湧かします。
その中につばいそと、潰したしょうが1カケ、
あらかじめ素揚げしておいた茄子を入れ、
落としぶたをして、コトコト煮ること15分ほど。
富山でも、若い人はあんまり魚料理をしなくなった…と聞きますが、
こうして富山から離れたわたしが、
東京でせっせと魚料理を作っているのも、
なんだか可笑しい話ですね。
この夏、富山に行かれる方があれば、
是非「つばいそ」食べてみてくださいね!