「藤田嗣治と平野政吉」
エコール・ド・パリの時代の画家たちの描く絵が好きで、旅先で時間があるとその時代の絵があると聞くと、よく観に行く。
日本で生まれ、フランスで画風を確立し、戦争に出逢い、戦争画を描き、晩年、フランス人の国籍を取得し、チューリッヒで人生をまっとうした藤田嗣治は、独自の画法で、この時代の世界を代表する画家として多くの素晴らしい作品を残している。
過日、秋田にある「平野政吉美術館」で、藤田嗣治の多くの作品を観た。
中でも、「眠れる女」と、藤田嗣治が51歳の時、平野政吉の米蔵で大壁画を15日間で完成させたと言われる「秋田の行事」は素晴らしい作品で、今も余韻が残っている。
藤田嗣治が集めたと言われる無名の絵画は、素晴らしい作品が多く、倉敷にある大原孫三郎と、児島虎次郎の関係に通じる。
本気の思いを共有した人と人とが、出逢うといつの時代も、本物が生まれる。