第81回 「リクルート創業者江副さんのDNA」 | インキュベーター社長日記 | インターウォーズ株式会社 吉井信隆のブログ

第81回 「リクルート創業者江副さんのDNA」

 過日、リクルート創業者の江副さんが、経営者が集う公の場で14年ぶりに「リクルートのDNA」というテーマでの講演があった。


「お~吉井君」と、会場で少し照れた様子で語りかけてきた江副さんは、 昨年三月、14年の長きに亘ったリクルート事件の公判判決が確定し安堵したせいか、ふっくらとした風貌で現れた。


 自然体で少しジョークを交えながら、語った江副さんの「リクルートの創業時から、今日の売上げ3600億、経常利益1,100億経常利益率32%を出すリクルートの経営」は、「創業者経営の哲学」だった。


わからないことはお客様に聞く! 


情報を流通させることが業界を制すると考え、コンビニに、100円の本なら販売手数料を90円払い、徹底してリクルートの情報誌を並べて貰った。


人材採用は経営の最重要要素と捉え、リクルートに優秀な人材を集めることに、徹底して力を注いだ。


数千人のアルバイトの中から社員に登用した人材は優秀であり、今でいうインターン制度を取り入れた。


女性を採用する際、必ず女性が面接し、若い人の採用は、1~3歳年上の若い人が、何度も会って選考した。


やる気やリーダーシップのある起業家精神旺盛な人を、SPIを使ってセグメントした。


外国人やヘトロジニアス(個性的)人材をできる限り採用し、多くのフリーランサーに仕事を委託し、リクルートの仕事をしていただき、外との垣根を低くした。 


自分はリーダーシップが弱いので、事業部制を取り入れ、多くのプロフィットセンターを創り、社員に経営の機会を与えた。


社員から新規事業の提案が上がる仕組みを創り、年間300件近い提案の中から2~3件選び、企業内起業によって、事業インキュベーション化した。 今日の事業は、こういった新規事業インキュベーション制度から生まれ育った。


自己申告制度を取り入れ、異動を活性化の手段と考えた。 上司とうまくいかない弊害をなくした。


相性がうまく合う様にすれば、人は生き生きと働き、大きな成果が上がる。


海外旅行や社内のキックオフのイベント・お祭りをよくやった。


社内報やビデオをはじめ、社内情報の共有化を徹底し、情報共同体組織に努めた。


社員持ち株制度を取り入れ、今では、ストックホルダーとして、社員持ち株会が筆頭株主である。


デザインは、人を魅きつける大きな力と考え、デザイナーの亀倉雄策さんを経営陣に迎え、本や、ビルのブランディングに注力した。


機械にできることは、極力機械に仕事をふった。


誰をどの仕事に配置するかの、人事を徹底した。


脅威と感じるほどの事態の中に、隠された発展の機会がある。


変化をコントロールすることはできないが、できることは先頭に立つことである。


われわれのあとに続く人は、われわれより優秀でなければならないと考え、人材採用に多くの時間とエネルギーとコストをかけてきた・・・」


リクルートは、リクルート事件により様々な社会から制裁を受け、企業基盤を揺さぶられたにもかかわらず、企業の活力を失うことなく1000億を超える収益や事業継承がこれまでスムーズに行われている。


そして、ユニークなリクルート文化の中で育ったOB達が、さまざまな分野で、才能を開花させ活躍している。


江副さんが、創業メンバー達と創り上げた、目に見えない「リクルートのDNA」は、今も輝いている。





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